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[28]サル痘シミュレーション(その4)

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[25]サル痘シミュレーション(その1)|髙山彦行|note
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[27]サル痘シミュレーション(その3)|髙山彦行|note

予備知識のお付き合いありがとうございました。いよいよ本題に入ります。

NTIのエクササイズシナリオ(シミュレーション)

NTIが2021年11月に興味深いレポートを出しました。

https://www.nti.org/wp-content/uploads/2021/11/NTI_Paper_BIO-TTX_Final.pdf

シミュレーションによる予測
架空の国BriniaとArnica

シミュレーションは、架空の国のBriniaとArnicaでの出来事で、Briniaの人口は2億5000万人、Arnicaは7500万人です。

シナリオスタート

2022年5月15日にBrirniaでサル痘の不自然なアウトブレイクが起こります。後に判明するのですが、バイオテロによるものでした。

第一段階(2022年6月5日)

・サル痘のアウトブレイクによって、Briniaで1421事例、4人死亡する。
・国際的な警告などは無し。
必要なこととして、リスク管理としての国際的な警報システムの構築を提言。
シナリオ内では、Briniaではサル痘は自然界では見られずに警戒されていない。警告が無いために、Briniaのナショナルホリデーによる人流で感染が広がってしまう。

第二段階(2023年1月10日)

・83カ国で7000万事例、130万人死亡する。
・サル痘ウイルスがワクチン耐性を持つ。(既存の天然痘ワクチンが利かなくなるということだろう)
・国際的なサプライチェーンが変わる。(コ〇ナの時のように、ロックダウンが掛かりまくり物流が滞るということだろう)
必要なこととして、この様な状況での国民の対応を事前に決めておくことを提言。
各国での対応は様々で、ロックダウンやマスク着用、ソーシャルディスタンスなどで感染の拡大を遅らせる国もある。(つまり、お注射打ちましょうねということだろう)

第三段階(2023年5月10日)

・4億8000万事例、2700万人死亡する。
・バイオラボにテロリストが侵入した事が原因と発覚。
必要なこととして、バイオセキュリティーと政府が医療科学のデュアルユースについて把握しておくことを提言。(CDCで統合管理するとか言い出すのか?)

最終段階(2023年12月1日)

・32億事例、2億7100万人死亡する。
・国の対応の違いによって被害が様々。
必要なこととして、パンデミックを想定した国際基金と国家のパンデミックの備えに対する尺度について提言。(ここでWHOの基金とかNTIが研究していたGHSインデックスが出てきそう)

以上がシミュレーション内容になります。
32億感染って、世界の人口の4割が感染ですやん。コロニー落としで全人類の半数が死滅するほどでは無いにしろ、結構な被害です。
第一段階~第二段階の間で、突然変異により既存のワクチンに対する耐性ができるとあるのですが、感染力や感染方法も変わるということもあるのかな。

今回は、ここまでとします。(つづく)

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