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タイ人は読書をしない。だけでなく短い文章を読むのさえも億劫な民族である、と確信するまでの私の推測と経験。

タイ語の「勉強する、独習する」が「読書する」と同義語である

タイ人にとり、読書をするということは、高校や大学でのみ行うべき行為であり、学校を卒業した後、多くの一般人にとっては勉強=読書は過去のものであり、縁の無いものとなる。
私はタイ語の素人なので、この考えに確信は持てないが、連合いや息子の日常会話表現から感じるタイ語の「読書する」と「勉強する」の感想である。

大規模書店がない

バンコクを縦横に横断する地下鉄とBTSの総延長距離は東京には及ばないものの、既に大阪を凌駕しているのではないか。そしてその駅前に立つと、センタンやザ・モール等の駅前に立地する百貨店の数は東京のそれを上回っているだろう。
そして一歩これらの百貨店に足を踏み入れると、その煌びやかな内装と充実した品揃え、規模の大きさは東京や大阪の百貨店に勝るとも劣らない。

しかし、この大都市バンコクには足りないものがある。
大規模書店である。
大規模百貨店、大規模スーパー、大規模家具店、大規模電化製品店、大規模衣料品店、大規模フードコート、、、等々は数えきれない程あるが、大規模書店は文字通り皆無なのだ。
日本の場合、東京、大阪等の大都市であれば、丸善、紀伊國屋、ジュンク堂を始めとした大型書店がいくつもあり、郊外に目を向けても主要な駅の近辺には中規模書店が店を構えていることが多い。
バンコクの最も大きな書店は、せいぜいこの中型書店の規模だろう。センタンやザ・モールに出店している書店は、日本で言えば個人書店並みの規模と言っていい。
読書の需要が少ないから本=書店の供給も限られたものとなる、これは自明の原理だ。

理事会で配布した資料を読まない

コンドミニアムの理事会の準備の為、私は色々な資料を作成する事が多い。
先日の理事会の前には「規則改正案と罰金」「フェイススキャンとAirbnb対策」「公共エリアのセキュリティスタッフ巡回」「公共エリアのベンチ設置」以上4点の試案を事前に執筆配布したが、理事会に臨んで誰も読んでいなかったのには落胆させられた。全員が大学卒業をした常識人であるにも関わらず、だ。
資料は長いものではない。各テーマせいぜいレポート用紙2、3枚のものだ。全部読んだとしても、10分かからないだろう。

いや、これは私の推測だが、タイ人は読書に不慣れな故に文章を読むスピードがかなり遅いのかもしれない。卑近な例を挙げれば、連合いに任意の文章を読ませると彼女は必ず音読し始める。
音読をすれば、当然のことながら音読のスピードでしか読書が出来ない。極めて遅い。一般的なタイ人の読書スピードはこの音読のスピードなのではないか?

句読点が存在しないタイ語の構造も、速読を妨げているのは間違いない。
黙読で速読する事が出来ず、文章を読む度に音読しなければならないのであれば、それは文章を読むのが億劫にもなるだろう。

以上、私が暮らす小さな社会の中で感じられた感想なので、全くの見当違いかもしれない。
そこで、手掛かりになる客観的なデータはないかと試みにWikipediaを調べてみた。

--- 以下、次回に続く。


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