見出し画像

87歳でのタイ移住 日本とタイでの老後。どちらが幸せ?

タイ移住に関しては、母の意向が第一に優先される。
私はタイでの同居を提案はしたが、説得したり、強く勧めることはなかった。母が自分自身の考えでタイ移住を決断した、という形にする為だ。
私が説得をした結果として移住を始めた場合、将来にわたり母の意に沿わない事があった時に「息子の説得にほだされてタイに来たのが間違いやった。」等と万が一にでも思って欲しくないからだ。

そこで時間をかけて母に考えてもらう素材として、現状維持(守口市の実家で一人暮らし)とタイ移住、この二つの優劣を比較して文章に起こし、LINEで母に送った。

実際に母に送付した文章。

守口とタイ比較

①プール・運動
🔺守口 今まで通り。(注 母は週に4回、公立プールに通い水中歩行している。)今後、身体が弱くなりプールに自転車で通うのはだんだん危なくなってくる。
⭕️タイ プールあり。朝から晩まで好きな時に使用可能。マンション敷地内の庭園は広く、安全に散歩が出来る。

②気候
🔺守口 日中の外出は寒かったり、暑かったり。
⭕タイ 室内はエアコン、外出する時は車。タイ人は歩かない。こちらに来て、外出で汗をかいた記憶はほぼない。

③娯楽
🔺守口 ラジオ。友達との会話。
⭕️タイ 数週間に一度、外食をかねて車でお出かけ。
年に数度、小旅行(日帰り、泊まりがけ)。
日本のラジオはこちらでも聴ける。

④食事
🔺守口 今まで通り。身体が弱くなったら、食事を作ってくれるヘルパーを依頼。自分の好きな物が食べれるかどうかはヘルパー次第。
⭕️タイ 昼食(みんなで)と夕食(みんなで。ビールをゆっくりと飲みたければ一人で。)は相方の料理。油はなるべく使わない、味の素は使わない、野菜をたくさん摂る、が基本。
相方は「お母さんから日本食を教えてもらいたい!」と言っており、お母さんの口に合った料理を覚えたいと意気込んでいる。
月に数回、みんなで外食。

⑤買い物と家事
🔺守口 今まで通り。身体が弱くなったらヘルパーに依頼。
⭕️タイ マンション敷地内にコンビニがありいつでも安心して買い物が出来る。週に一度くらい、一緒にスーパーや市場に買い物に出かける(車で)ことも可能。
掃除、洗濯はヘルパーに依頼も出来るが、相方は「私がやる!」と張り切っている。

⑥部屋
⭕守口 今まで通り。
⭕️タイ 20階以上になるので眺望が良い。
屋上展望台や庭園から朝陽、夕陽を毎日眺める事も出来る。

⑦通院
🔺守口 ヘルパーを依頼。段取りが必要。
⭕️タイ 何かあった時に24時間いつでもすぐに同行できる。

⑧入院
❌守口 ケアマネジャーと相談。見舞いに来る人は少なそう。(注 母に兄弟はおらず、親戚も少ない。)病院で毎日一人やと寂しいんちゃうかな。
⭕️タイ マンションの近くに大きな病院がたくさんあり、医療水準は日本と同等。僕と相方がしょっちゅう会いに行ける。

⑨看取り
❌守口 僕は間に合わないかも。
⭕️タイ 僕と相方は確実に傍にいれる。

⑩お葬式
❌守口 僕は間に合わないかも。
⭕️タイ 僕と相方、その親族。仏教による葬式。

守口    ⭕️1 🔺6 ❌3
タイ    ⭕️9 🔺1 ❌0

以上が実際に母に送った文章。ほぼ全ての項目でタイが圧倒しており、箇条書きにまとめる前は私自身もここまで差がつくとは考えていなかった。
細かく見れば見るほどタイ移住の方が良いと再認識させられた訳だが、母の想いは果たしてどう変化したろうか。

1週間後、母から「タイ行きを決意しました。でも、ホンマにあんたはええのん?」とのタイ移住を決意する言葉が発せられた。「小さい時から大人になるまで、あんたに何もしてやれなかったのに、今頃になって世話をかけてしまうのが申し訳ない。」との思いから最初は断っていたようだが、客観的に考える材料を見せられて遂に決意を固めたらしい。

それから半年後の今年4月。ようやく引っ越しの日程が決まった。武漢熱が小康状態を得て、入出国がより容易となるであろう2022年6月上旬、母は関西国際空港を飛び立つ予定だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?