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堅き氷は霜を履むより至る(かたきこおりはしもをふむよりいたる)


     易経

『易経』は、変化とその法則性を探求する書であり、占いの書としても用いられてきました。64の卦(か)とそれに伴う爻辞(こうじ)から構成され、各卦とその解釈が自然や人間の営みを通して説明されています。

「堅き氷は霜を履むより至る」という言葉は、冬の景色や自然の移り変わりを通して、物事がどのように進展していくかを描写しています。

堅き氷

寒さが極まった時に形成される、しっかりとした氷。堅固な状態を示しています。

霜を履む

冬の始まりに地面に降りる霜。寒さが進行する最初の兆候を表します。「履む」は「踏む」という意味で、ここでは霜が地面を覆う様子を指しています。

堅い氷が形成されるためには、まず初めに霜が降りる段階があることを意味しています。すなわち、寒さの進行が段階的であり、最初に霜が降り、その後の気温の低下によって氷が徐々に固まっていく過程を示しています。

この自然現象を通して、『易経』は次のような教訓を伝えています。

段階的な進行

すべての大きな変化や成果は、一連の小さなステップや進行から成り立っています。霜が降りることが始まりであり、それが進むことで氷が形成されるように、大きな成功も小さな努力や変化の積み重ねから生じます。

忍耐と継続

大きな成果を得るためには、時間と忍耐が必要です。霜が降りるという初期段階を経て、徐々に氷が形成されるプロセスは、目に見えない努力や継続的な努力の重要性を強調しています。

自然の法則と順序

物事には自然の法則や順序があります。無理に急ぐのではなく、自然な流れに従いながら進めることが大切です。霜から氷への移行は、自然な順序の一例です。


この教訓は現代社会にも通じます。例えば、キャリアの成長やスキルの習得、プロジェクトの達成など、どのような分野でも小さな努力や日々の進歩が積み重なって大きな成果を生み出すことを理解することが重要です。焦らず、地道に進むことが成功の鍵であることを示しています。

この言葉は、日々の努力や一歩一歩の進歩が大切であるという人生の教訓としても理解され、現代においてもその価値は色褪せません。

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