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創業理念を易経から採った会社名


大手総合化学メーカー、「旭化成」の創業者・野口遵(したごう、1944年没)は、「電気化学工業の父」「朝鮮半島の事業王」と謳われた実業家ですが、旭化成の社名には易経の「化成」を用いました。



化成は、変化や転換のプロセスを指し、事物が進化し成長する概念です。易経では、この化成の考え方は自然の法則や人生のサイクルに適用され、変化を受け入れることが重要であるとされています。

日本初の民間洋風調剤薬局として、福原有信が1872年に開業した「資生堂」の社名も、「易経」の一節「至哉坤元 万物資生(大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか、すべてのものはここから生まれる)に由来しています。この社名は今も製品開発に受け継がれています。


順天堂大学の学名「順天堂」(初代総長・佐藤進一)は、「天に順う」を意味します。創業の理念は、医療の分野での卓越性と人道的な価値観を結びつけ、社会に奉仕することに焦点を当てています。

「三菱商事」の社名は、創業者である岩崎彌太郎が「三」の文字を強調して縁起をかついでいたことに由来しています。「三」は易経で陽を表し、岩崎が事業繁栄を望んでいたため、易経からひらめきを得て社名を決定したと言われています。


岩崎彌太郎は、易経の理念に基づき、事業展開や経営において八卦や変卦の考え方を取り入れました。これが、三菱と易経の関連性の一環となっています。

企業は創業時から社会的使命を担っています。「使命」とは使ってもらう命で、「使」は伝える、任務をあらわし、「命」は、文字通り生命と存在を表しています。

使命は特定の目的や任務を果たすために生きる意味や、目標を表す言葉です。

東洋運勢学とりわけ易経は、戦略(目標や目的など進むべき方向、経営理念)と、戦術(行動基準、具体的な手段)を練る、実践哲学の書です。

経営者が、選択と決断に迷ったとき、叡智が満載されている易経は、問題解決の大きなヒントになるからです。どれほど優れた技術、製品をもっていたとしても、人間を正しく理解できていなければ、会社の存続が危ぶまれる戒めを、創業者が社名にこめたのです。

ダーウィンの「適者生存」の法則は、企業の存続にもかかわることを銘記すべきだと思う昨今です。

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