見出し画像

人間は、期待されると、期待された通りの成果を出す傾向がある。


教育心理学者 ロバート・ローゼンタール
     (ピグマリオン効果)

1965年、ロバート・ローゼンタールとレノア・ジャコブソンは、カリフォルニアの小学校で「知的開花実験(Pygmalion in the Classroom)」を行いました。


実験では、教師に「この生徒たちは知能テストで優れた成績を出し、今後大きく成長する可能性が高い」と伝えられた生徒が実際にどう成長するかを調査しました。

実際には、この生徒たちはランダムに選ばれたもので、特別な知能や能力はありませんでした。


期待される生徒の成績向上

実験後、教師から期待をかけられた生徒たちは、他の生徒よりも成績が大幅に向上しました。これにより、教師の期待が生徒のパフォーマンスに直接影響を与えることが示されました。

教師の行動の変化

期待された生徒に対して、教師はより多くの肯定的なフィードバック、サポート、関心を示しました。これは、期待が教師の行動を変え、その結果生徒の学習態度や成績に影響を与えたことを意味します。この現象を「ピグマリオン効果」と呼ばるようになりました。

ピグマリオン効果は、社会心理学や教育心理学において非常に重要な概念です。以下はその具体的な意味と影響です:

自己成就予言

他者からの期待が高いと、その期待に応えるために本人も努力し、結果的にその期待通りの成果を達成するという現象です。これにより、期待される個人の自信やモチベーションが高まります。

教育現場での応用

教師が生徒に対して高い期待を持つことで、生徒の学習意欲や成績が向上する可能性があるため、教育方法の改善に役立ちます。

職場での応用

リーダーやマネージャーが部下に対して高い期待を持ち、その期待に基づいたフィードバックやサポートを行うことで、従業員のパフォーマンス向上が期待できます。

ピグマリオン効果の理論的背景は、以下のような心理学的原理に基づいています:

社会的認知理論

人間は他者からのフィードバックや期待に基づいて自分自身の行動や信念を調整します。他者からのポジティブな期待があると、その期待に応えるために自分を改善しようとする動機が働きます。

自己効力感

他者からの期待や信頼が高いと、自分自身の能力に対する信頼(自己効力感)が高まり、それが行動や成果にポジティブな影響を与えます。


このように、ピグマリオン効果は、他者からの期待が個人の行動や成果に与える影響を示す重要な心理学的現象です。

教育現場やビジネスの場など、さまざまな場面で応用可能であり、期待をかける側の行動や態度が大きな影響を持つことを理解することが重要です。この効果を理解し、適切に活用することで、個人の成長や組織の成果を大きく向上させることができます。

#ピグマリオン効果 #知的開花実験
#教育心理学 #社会的認知理論
#自己効力感 #心理学的現象

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?