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11.中小企業診断士実務補習って面白い!!(その1)

 前回まで2回に渡り、二次筆記試験合格後に受ける口述試験と実務補習の準備についてお伝えした。今回は、実務補習の流れについてお伝えするが、タイトルの通りとても面白い!!(大変ではあるが・・・)。まさに、これぞイメージしていた診断士業務であると感じた。診断士を目指す人の多くは、このような仕事をしたくて目指すのだろうと思う。

 実務補習当日は、参加者全員指定の場所に集まり開講式から始まる。まずは、診断士協会からのご挨拶や庶務的な説明があるが、短時間で終了する。その後、いよいよ各班に分かれて打ち合わせが始まる。

 事前にメールやリモートで打ち合わせをする班もあるが、実際にはメンバーと指導員に初めて顔を合わせる。仕事と同じで、名刺を持っていくと挨拶をしやすい。メールだけの打ち合わせの場合、お互い年齢を明かしておらず「こんなに若い方だったのか」と驚く事もあった。既にリモートで自己紹介をしている場合もあるが、そうで無い場合には指導員の先生も含め自己紹介を簡単に行う。普段仕事で出会わない職種の方もおり、テンションが上がる。

 その後、本格的な打ち合わせに入る。訪問する企業について事前に準備してきた、各戦略毎の質問内容などを確認。他のメンバーの意見を踏まえ最終的な質問内容を整理する。自分では考えられなかった観点も出るため参考になる。指導員の先生からもご意見をいただくが、あくまで参加者が中心で、進行も事前に決めている班長中心に進める。初めて会うメンバーといきなり議論する事が日常の仕事では経験しないのでとても新鮮。また、社内の打ち合わせと異なり参加者は自ら希望して試験を受け合格したメンバーが集まっているため非常に意識高く、活発な意見交換が行われ楽しい。

 打ち合わせが終わったら訪問先企業へ。事前に先方とのアポイント時間が伝えられており、それに合わせて打ち合わせを終わらせて移動。自分の場合、電車やバスで一時間以上移動する事があったが、その間も、メンバーや指導員の先生と普段の仕事や合格までの経過などを話していた。コロナが本格化する前は、昼食をとりながらワイワイできた事もあり楽しい時間だった。

 訪問先企業では、代表者や役員と面談。基本的に各担当が準備していた質問をするが、他のメンバーが追加で質問する事もあった。製造業の場合は、作業工程を見させてもらう事もあり、こちらも普段なかなか見られない事から興味深く説明を聞く。了解を取った上で、写真を撮っておくとレポート作成に役立つ。2時間くらいで終了。初日はこれで解散となるが、自宅でヒアリング事項をまとめておく。

 二日目からは、終日打ち合わせ。事前に指導員の先生が貸会議室などを準備しておいてくれる。初日は企業訪問もあるためスーツでの参加だったが、私服で参加。飲み物やお菓子などを準備しておくとリラックスして参加できる。

 情報を整理しSWOT分析などをしながら、企業の抱える問題、課題を抽出する。そして、企業が目指している方向性に対しどのようなアドバイスができるか、全体感を共有し、各戦略毎に検討していく。

 一日かけて進めるがとても時間がない。しかし、この作業を、しっかりやっておかないと担当戦略のレポートが書けないし、他の戦略との整合性が取れなくなる。指導員はあくまでフォローの立場なので、各メンバーの積極的な意見交換が必要であるが、そこは前述の通り皆が積極的に参加しており問題ない。重要なのは、タイムキープであり班長を中心にスムーズな進行が重要となる。ある参加回では個別項目の議論が盛り上がり、時間が足りなくなってしまう事もあった。

 昼食休憩以外は、ずっと打ち合わせ。一日終わる頃にはへとへとになる。普段の仕事でこれだけ集中的に議論する事がほとんどないため、頭がくたびれる。しかし、普段の仕事では味わえない充実感を感じる事ができる。人見知りをする自分にとって、前日に初めて会ったメンバーと議論することにやや不安があったが、他業種や世代の異なるメンバーの意見は新鮮で、休憩中に話す普段の仕事などの話もとても興味深く参考になる事が多かった。

 実務補習の前半二日はこれで解散。各自日常業務に戻るが、担当戦略のレポートの準備という宿題がある。実務補習の後半は、これを持ち寄り精査し、合体・完成させ、訪問企業に提案する。ハードであるが、面白い事がまだまだある。

 後半も長くなるので、また次回。

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