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ミュージカルへの愛を語る①:好きな作品編 / My favorite musicals

大学時代に宝塚にすっかりハマってしまったわたし。

「観劇」という新しい趣味を得てからは、劇場にアクセスしやすい場所に住んでいることもあり、自然と宝塚以外のミュージカルやお芝居も観に行くようになりました。
今は、広く浅く、興味のある演目が上演される時には1〜2回観に行くくらいのライトファンです。

ミュージカルの魅力

まず「劇場」という空間そのものが好きです。なんとも言えない特別感。
日常から切り離された場所で、舞台の上では精密に作り込まれた世界が描かれているんだけど、それを演じているのは生身の人間で、ストーリーの中心には悩みや苦しみ、喜びといった人間くさいものがある。
そういった感情をよりわかりやすく届けてくれるのは音楽の力があるからこそ。良作ミュージカルには良質な音楽が欠かせません。
その音楽を表現する素晴らしい役者さんたち。心に響くメロディと、それを支えるコーラスの美しさ。音楽が劇場の空気を振るわせる感覚。
忘れちゃいけないのが、その日その時の演奏をしてくれるオケの皆さんと、オケピとステージ上をつなぐ指揮者の働き。

あぁぁ... 書いてたらどんどんミュージカルが見たくなってきたよ。
とにかく、観劇後は幸せな気持ちになれて、その先しばらくちょっとくらいしんどいことあっても生きていけるわ、ってエネルギーをもらえます。本気で。

わたしの好きなミュージカル

観劇記録をしっかりつけていないから正確ではないけど、今まで観た演目は宝塚を除いたら多分20〜30くらいかなぁ。
その中で、「これはよかったぞ!」というものを紹介します。

① レミゼラブル / Les Miserable
超有名なお話。映画にもなったので、ストーリーや歌は知っている人も多いと思うけど、劇場で見るからの良さがある作品だなぁと思います。アンサンブルキャストの数が多いので、コーラスやお芝居の厚みがすごい。
ストーリーは言わずもがな。ジャン・バルジャンという人の一生を描くことを通して、愛と赦しについて考えさせられる。
二幕の最後で歌われる「エピローグ」のこの歌詞が全てなんだろうなぁと思う。

And remember
The truth that was once spoken
To love another person is to see the face of God
          - "The Epilogue" (from Les Miserables) 

他も名曲揃いでお気に入りの曲を選ぶのはとても難しいけど…1幕最後のOne day moreと2幕のBring him homeは観るたび泣ける。
ステージ上に映像を投影する演出もすごいけど、個人的にはウエストエンドで観た盆が回る旧演出が好きでした。どこかでリバイバル公演してくれないかな…

② マンマミーア / Mamma Mia!
ハッピーミュージカルといえばこれでしょ! ABBAの曲が不自然でなくストーリーに散りばめられていて(どれもこれも名曲)、ストーリー自体にそれほど深みはないかなぁと思うんだけど、母と娘の葛藤がそれぞれ描かれていて、そのどちらにも共感できる。

日本では劇団四季が上演しています。四季の何がいいって、劇場のサイズが小さいこと。どの席でも比較的ストレスなく見られるし、お芝居の空気感を共有しやすい感じがすきです。
あとはみなさんほんとに歌もダンスも上手い! さすが四季! 本編が終わった後にフリルが山盛りついた衣装で出てきて歌って踊るショータイムも大好きです。
一つだけ気になるのは、イケメン役であってほしいヒロインの婚約者役が「イケメン…?」となることがあることですかね…(小声)

映画版もいいですよね。特にこの「Dancing Queen」のシーンが好きです。メリル・ストリープのキュートさ!


③ ビリーエリオット / Billy Elliot
時はマーガレット・サッチャー政権下。炭鉱の民営化に反対するストライキ真っ最中のイギリスの炭鉱町に住む男の子がバレエダンサーを目指す話。

この作品ね、もっとみんなに知られて欲しいんですよ。本当に素敵な舞台なの。

まずは役者が素晴らしい。主役のビリーは子役(小学校高学年〜中学生)が演じていて、ものすごい規模のオーディションで選ばれている(それゆえ歌もダンスも素晴らしい)んだけど、いい意味で「子役」っぽくなく、一人の子どもとしてちゃんと板の上に息づいている。
そして音楽も素晴らしい。エルトン・ジョンが手がけています。曲そのものも素晴らしいし、配役の関係上、男性アンサンブルが多くて、コーラスの低音が厚いのが良い。

どの楽曲も名曲なんだけど、ビリーと親友のマイケルが歌うExpressing Yourselfがとにかく最高。
サッチャー政権時代のイングランド北部の炭鉱町という、とてつもなく男性的な世界で、バレエを習いたいビリーと、女装が趣味でおそらくビリーのことが好きなマイケルが、「自分を表現して何が悪いの?」と歌う。
作品全体のテーマ(とわたしが思う)「自分らしく生きること」について、子どもの視点から大人に問いかけている。
今の社会に必要な考え方だなぁと思うなぁ…

Everyone is different
It's the natural state
It's the facts, it's plain to see
The world's grey enough without making it worse
What we need is individuality 
  - "Expressing Yourself" (from Billy Elliot)

あと、このミュージカルは歌詞の翻訳が素晴らしいです(台詞の訳は時々「?」と思うところはあるけれど)。原曲の英語で聞き慣れている曲でも、日本語で聞いて違和感がないのがすごい。
訳詞を担当された高橋亜子さんのインタビュー記事。こんな風に作られているんだなぁ。

まとまらなくなってきたので…

熱が溢れすぎて大変だ。ついつい語りすぎてしまう。
ビリーについてももっと語りたいし、これから観たい作品とか、日本におけるミュージカルの考察とか、いろいろ書きたいことはあるのにな…!
気が向いたら別記事にまとめよう。とりあえず今日はここまで。



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