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ダイヤモンドプリンセス

「大丈夫!?あれ、かおりちゃんの乗ってた船だよね!?」

新型ウイルスという物々しい言葉の響き。
連日の畳み掛けるような報道に
思いがけず大勢の方からご連絡をいただき
ああ何か投稿しなくちゃなと思いつつ
いったい何を書けばいいのかわからず
時間だけがどんどん過ぎていたのですが

とりあえず、今わたしは陸にいます。
あの船上で半年間という日々を過ごし
毎晩演奏していたのはもう何年も前のこと。

わたしの身は無事です!
お心遣い頂いたみなさま
わざわざありがとうございました。

豪華客船なんていくつも種類あるというのに
よりによって自分が乗っていた、あの、船…
船内の様子がありありと目に浮かぶし
乗客のみなさんは下船されましたが
一緒に働いていたクルーの仲間たちは
今この瞬間まさに、船内にいる。

数えきれない美しい体験をもらった船が
突然、非常事態の戦場と化してしまったこと。
人々の同情や嫌悪の標的となり
批判や疑心の視線を浴びせられていること。

最初にキャビンでの隔離が決まった日から
正直、気が気じゃなかったです。

「今乗ってなくてラッキーだったね!」
とたくさんの方からメッセージを頂いて、そうだね〜ありがとう〜と返事をしながら生じた違和感に、改めて気づかされたことは

ほんの1ミリも
ラッキーに感じてない自分がいたこと。

自覚していた以上にわたしは
ダイヤモンドプリンセスを大事に想ってて
はずかしくて泣きながら笑っちゃうくらい
かけがえのない家族のように感じていました。

「船旅は金持ちの道楽だ」とか
「自分の好きで乗ったお遊びの船」とか
心ない言葉を撒き散らす人もいます。
「船の管理が適当でひどい状態だったんだろ」
そんな言葉も耳に入ります。

だけどそれは違うとわたしは言いたい。

船旅には、
人それぞれの物語が込められています。
そして、異例の事態に対応できなかったことは
もちろん山ほどあるだろうけど
クルーは全力で尽くしていたと思います。

ただ優雅なだけでなく
そこにはリアルな笑顔や涙がある。
お客さまたちのたくさんの人生のストーリーを
わたしはたった半年間だったけれど
そばにいて、目の当たりにしてきました。

何千もの人生が集結する船の世界に
「みんなこんな気持ちだ」という断言は
決してできるものじゃないと思う。
苦しくてたまらなかった方も
もちろんいらっしゃったと思います。だけど
閉鎖された不安で過酷な状況の中でさえも
幸福を感じて過ごされていた方も
たしかにいたと思います。

まだまだ収束の見えない今回の事件には
日本社会の、言い逃れできない不誠実さが
ぱっきりと浮き出てるように感じられます。

どれも今に始まったことじゃないけれど
まったく知識のないおじさんたちが
お金のために政治を牛耳っていること。
命よりもルールと立場を守り
賢者や専門家たちの助言を封じこめて
体裁をよくするために事実を隠蔽する癖が
もはや条件反射的についていること。

公平さを見極めるための国会は機能せず
下品な野次の飛び交うさまは混沌として
ここって国の代表たちの集まりじゃなくて
学級崩壊してる中学の荒れた教室だった?
と信じられない光景に唖然とするほどだし

メディアはとにかく数字を増やすため
ドラマ仕立てな悲劇のストーリーに涎を垂らし
叩く側が正義と言わんばかりに責め続ける。
右翼も左翼も反対のようで結局同じ
怒りの餌食をぐるり囲んでワアワア飛んでいる

と、こんなふうに政治を批判しておけば
何となく自分はきちんとしてるみたいな印象で
まじめに考えてる人アピールができるので
皆こぞって「正しそうな」文章を
一所懸命に書いては投稿するのでしょう

わたしはその一人に加わる自分の
無力さに嫌気がさしてしまって
長いこと、時間をかけて文章を書くこと
ずっと意識的に避けていました。

書き始めれば止まらないだろうけど
こんなわかりきったこと書いて何になるの
いったい誰が救われるの、と
心の中に溜まった膿んだ言葉を綴ることに
失望してしまっていたんだと思います。

でも、この日本社会の、真の姿
言いなりになったり、線引きができなかったり
誠実さが足りなかったり、嘘に慣れたり
良く見せようとしたり、手柄を欲しがったり

それって、人間の、真の姿、すなわち
「わたし自身の真の姿」なのだよな、
とただひたすらに今、
反省をし始めているのです。

(ああ口にしたくない!歯痒い!やめてー!
とわたしの頭は必死で叫んでいる 笑)

まず認めることが一番しんどいのだけど
自分の有り様の鏡であるはずなんです。
社会って。世界って。
その大切な鏡が、信じられないくらい
絶望的に汚れきった状態だから、辛いのです。

こんなの絶対に嫌だー!きもすぎるからー!
あんなおじさんたちと一緒とか無理だろ…
というこころの叫び。受け止めてます。
痛いです。痛いですよー。

そんなわけで
わたしはまず、自分の姿を
謙虚に今まっすぐに、立て直してゆきたい。

今いろんな人と、いろんな方法で
表現していくための準備をしています。

外国に赴いて音楽を学んだり、映像を作ったり
SNSチームを結成したり
丁寧にレッスンをしたり、曲を生んだりね
苦手なことは、得意なプロに素直にまかせて
(費用がかかっても惜しんではいけない)

自分の持ち場をきっと、輝かせるよ。
うまくいかない理由を探さない。
生き物としての正しさを、もういい加減
全部のエネルギーを使って取り戻したい。
そう強く思っています。

なんだかんだと言い訳しながら
わたしは出遅れてる人だから
(ね、悔しいけど政治家たちと同じ!)
こんなところでこれを書いてるだけの
わたしはめちゃくそかっこ悪くて
まだまだ、生命活動のスタートラインの
ようやく位置についたかなという段階だけど。

あきらめる前に
嘆いてため息つく前に
やれることがある、と思ったんだ。

それはどんなに地味でも小さくても
世界や社会に直接影響しなくてもかまわない。

ただ、やりたいことをやろう
心が素直に喜ぶことをやろう
そのことにもっと集中しようって決めた。

どうせ何かの理由で人は死ぬのだから
それまでの瞬くような時間と空間の中に
肉体と意思があるうちに。

疫病自体は
自然界がバランスを取ろうとして起こるもので
災害と同じように、予防や備えはできても
人間にコントロールなんて到底できない。
と感じています(答えはわからないけど)
それは悪でも敵でもないんだと思っています。

だからわたしたち人間ができることは
専門的な勉強や研究を積んだ方の意見を知って
過剰に怯えるのではなく免疫力をあげる。

具体的には
たっぷり眠ってたくさん笑って
ストレスや疲れを溜めこまず
ほどよく食べて心身を温めて労って
人ごみに集まり過ぎず、手洗いうがいをし
自分一人の静かで豊かな時をもって
そして自由でうれしい表現をする!

そんな人としてあたりまえの行動を
いやいやそんなこと言っても忙しくてさぁって
無視している心身の声に耳を傾け
もう一度、生かされている事実を見つめ直す
それを求められているのかなって。

とにかく、愛する船と愛するこの国での
1日も早い事件の収束を祈りながら
残された時間じっくりと、自分を磨きます。

みんなそれぞれの命に忠実に生きること
自分の役割を思い出して歩くこと。

心をこめて、全精力をこめて
準備してきたイベントが中止になって
苦しくてもどかしい今を過ごされている方、
何に吐き出していいかわからず
毎日を踏ん張っている方がいま
数えきれないくらいいると思います。

明日、来週、来月、3ヶ月後。
どんな状況にわたしたちが立たされるのか
誰にもわかりません。
わからないもの、見通しが立たないもの、
予測できないものに対して、
現代社会に慣れきったわたしたちはいつも
怖れを抱く。それがふつうです。

怖れや戸惑いや苛立ちを暴力に変えることなく
怖いよね!そりゃそうだ!初めてだもん!
って、励まし合って支え合って進めたら。
そして思いきり笑うことを遠慮せず
楽しむことを犠牲にせず日々を送れたら。

それって、不可能じゃなくて
みんなの意識をどこに置くかで
選択できることじゃないかなと思うんです。
夢みたいなこと言ってるのかな?
実はそんなに難しいことじゃないはずだ。

3月28日は、東京でライブをする予定です。
もちろん無事に開催されるかはわからない。
だけど、こんな状況だからこそ、しなやかな風通しの良いこころで、愛を届ける準備をしていたいと思います。

34歳になっての歌い初めの日なので
願いが叶うなら、会いに来てくださいね!

3/28(土)東京・大塚 All in Fun
Open 18:00 Start 19:00
¥2,500(要2order)
「ブラタケシ#54」
大仏への愛を歌い倒す世古武志さんと
はじめての共同作業です。ぜひっ。笑

ご予約・お問い合わせ
hikitakaori@gmail.com まで

ボリュームたっぷりになったのに
最後まで根気よく読んでくれたあなたに愛を!

いつもほんとうにほんとうに
気まぐれなのにね、ありがとう。
明日もどうか元気でいてください。

感謝をこめて。

かおり

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いつもありがとう。
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1986年生まれ。シンガーソングライター。福岡出身・東京在住。 https://www.facebook.com/kaori.hikita.39