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日々感じたことを気まぐれに綴っています。
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#日記

そばとコーヒー。Cafeツタンカーメン

降りしきる雨にキンモクセイたちも散ってしまった。さむいねぇ。みなさんそれぞれの場所で、お元気ですか。 少し月日がさかのぼりますが・・・ 2020.8.27 錦糸町にある「シルクロードカフェ」で、初めての有料配信ライブを開催させていただいて。 買い方がわからん〜!エラーになる〜!と、戸惑わせてしまう場面もありましたが、何とか無事にチケットをご購入くださったみなさんのおかげで、最高にしあわせな音空間が生み出せました。ご視聴くださり、応援パワーを本当にありがとうございました!

夕暮れのオバタリアンフライト

成田空港に無事着いて。 一人黙々と手際よく、ちくわ天うどんを食べた。 時計の針は17時を過ぎている。 これは遅めの昼ごはんだったろうか、それとも早めの晩ごはん、というたいして重要じゃない設問が頭を通り過ぎながら、ちくわと麺の最後のひとくちのバランスを慎重に予測しながら、せっせとフウフウ、すする、すする。 ぐったりと疲れておもしろくなさそうな顔の人たちの適当な荷物検査と、巷で流行りのピッとおでこに機械を向ける検温とを済ませ、家出娘のような風貌のわたしはいそいそと機内へ乗り込

ダンシャリはモノよりエゴ。

あけましておめでとうございます! 本年もどうぞよろしくお願いいたします〜! と、できるだけ神々しく爽やかで明るい雰囲気の写真(初日の出や、玄関に飾ったしめ縄や、テーブルに並べたお手製おせち料理などが最も望ましい)を添えて 一刻も早くSNSに投稿しないといけないことはわかっていた。 メッセージやコメントにわざわざ「賀正」のテンプレートやスタンプなんかを送ってくれる親切丁寧な人たちにも、短くていいからご機嫌な返事をしないといけないこともちゃんと知っていた。 しかし、わたしはイ

予算がなくて…への提案

みなさんこんばんは! よし。まず最初にお断りをさせてください。今日ここにわたしが書くことは、誰かに対しての文句ではありません。特定の人に向けた愚痴でもありません。読んだ人のこころを傷つけるための主張でもありません。 もし、この先の文章を読んでいて、そんなふうに感じてしまった人がいたら。その人は、いつもすごく葛藤しながら頑張っていらっしゃる人だと思います。葛藤する理由は、いつでも、ただ一つ。そのことが、大切だからです。 なので、こころに起こった「ムカ!」や「モヤモヤ」や「は

何にもしない講演

寒気がして、微熱がでて、おふとんかぶって汗かいて、少し経ったらまた寒気がきて、微熱がでて… blanket のcafe ムリウイでの演奏の前から、それは1週間以上 エンドレスで続いていた。微熱だから動けなくはない。でも関節痛と悪寒は次第にわたしの体力と気力を奪っていき、頭でなんにも考えられない状態になっていった。いや正確には「まったく何なの」というイライラを含んだ 文句のようなため息を漏らしている状態に。 季節の変わり目だから?最近たしかに朝晩は急に寒くなったもんなぁ。

わたしファンディング、のこと

シンプルな音づくりにしてもざっと70万円はかかりそうな、中原中也の新作レコーディング。最近、内観と練習でいそがしくあんまり働いていないわたしには、活動資金というものがまったくない。 しかし無名なわたしには、大々的にクラウドファンディングできるほどファンが多くない。以前はこのことを「おはずかしながら」と口走っていたし、実際に、自分に魅力がないから人気がないんだと傷ついてもいたけど、今はそうは思わない。なぜなら、今この国で売れている音楽の中に、100年後にも愛されるであろう作品

なごり葉

こないだの 過去にない台風の勢いで 根元から折れた庭のハナミズキは 毎朝 窓をあけると光に照らされて 御神木と呼ばれるようになるほど、大切で 穏やかで美しくて 平和そのものの 象徴だった 疲れ切ったわたしがこのマンションに越してきたのは たった半年ほど前だったけど 彼は何十年も変わらずそこにいた 何も言わず すべてを語るまなざしで 悲喜交々の営みを見守っていた 「にんげんの姿は 実によいものだね」 ベランダに残された彼の落ち葉を まだ片付けられないで わたしは風邪をひい

torinomaruyaki

先週末、パートナーのはじちゃん(ギター)が名古屋に行っていた。アイルランド伝統音楽を愛してやまない熱狂的なファンたちが全国から一挙に集まって、2日間に渡り「プロもアマも関係ない、とにかく我らはアイルランド音楽を愛してるんだ、演奏しちゃいましょう」という採算度外視なイベント Music Weekend に参加するため。 7年もアイルランドに住んで、本場の素晴らしいミュージシャンに囲まれて20代の大半を過ごしてきた彼は、いっしょに暮らしていて半分アイルランド人のようで、事実コミュ

クルミドコーヒー

こんなに、大切な場所になるなんて知らなかった。 こんなに、大切な人になるなんて知らなかった。 「あの頃」のわたしは。 そんなふうに思うことが最近、急に増えた。 数年先の未来から、今、のわたしを見れば 「あの頃」のわたしなのだ。かならず。 だから、今日がどうしてこんなふうに すっきりしなくて曖昧なんだろう。 どうしても、無意味に感じてしまって とりとめもないんだろう。って わからなくてもいい。 わからないほうがいい。 理由がないから、ただ単純に 自分の、今、を受け入れて

ホンモノの人

音楽って、もともと無機質なもの。手でさわれない。形のないもの。それを有機的なものにして、相手に手渡したいっていうのは、素敵なことだよね。売れなくても。作る「価値」がある。 俺はダウンロードしたデータ音源もきくよ。車の中とかね。便利だから。でもそこでは、音楽の価値はおざなりになる。みんな聞き流す。 でも本来、音楽は、真剣に作られたものだ。だから、自分の部屋で、真っ直ぐに置いたスピーカーの目の前に「んっ」と座って、真っ直ぐに、聴く。CDは今、その対象としての製品になりつつある