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やわらかく、考える。

『やわらかく、考える。』
外山滋比古                     
   
✔︎囲碁の世界で勝負師の異名をとったある棋士が、試合に勝つにはと聞かれ、心たのしむ状態が最高と語った。喜ぶのはいけないが、楽しむのはよい。

✔︎勉強すると、頭は悪くなる。頭をよくしたければ、頭の中に入っているよぶんなものを捨ててしまうことだ。

✔︎記憶は知識をふやすが、知識そのものは新しいものを生み出さない。もの知りは知識をもっているだけで満足する。

✔︎記憶は秀才を育てるが、忘却は天才を生む。

✔︎流れる水は腐らない。静水は悪化しやすく、動水はいつまでも生きている。生きているということは、動いていることである。

✔︎読書の愉しみは、忙しくて忙しくて、することが山ほどあるが、それを放り出して、こっそりいくらかの罪の意識をもって盗み読む本から、最も鋭く感じるらしい。

✔︎どこか心に満ち足りないものを感じているときにしみじみとした本との交流が起こる。

✔︎おもしろいことは、正しいことより、生命力がつよい。

✔︎芸術はムダの中から生まれるぜいたくな花である。

✔︎やさしく、礼儀正しく、理性的に反対意見をのべ、相手を説得して自説を承認させるのは、口ききだけの技術ではなくて、全人間の力量がかかった芸術と言うべきである。

✔︎言論を大切にするのだったら、相手の意見を、かりに考えを異にしても、じっと最後まで聞く度量がなくてはならない。

✔︎言葉の枝を剪定する。言葉の枝も切るとそこからいくつもの連想の新芽が出る。

✔︎人生は短い。さほどでもない本を何回も読む時間がない。風のように本を読む。そのどこかに自分の持っている波長と合うものがひそんでいるかもしれない。

✔︎似たものは似たものに影響を与えることはできない。至近距離にあるもの同士はつよい力を与え合うことが難しい。

✔︎足もとに根のある花を咲かせる。

#やわらかく考える
#外山滋比古

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