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ユニクロとOS。宇部市民だけが分かる柳井さんの悔しさと熱。

同郷の山口県宇部市出身というのがおこがましいユニクロ柳井正さんの「経営者になるためのノート」。

これも唯我和尚の推奨で読んだけど、相当グサっと刺さる部分もあるし、この歳で一応経営者やっててもまだ正直ムリムリムリと思うところもかなりある。本質的に沁み入るまでには、まだまだ相当経験と自分の成長が必要だと痛感。

やはり稲盛和夫さんの本などと比べても、表現が違うだけでかなり根っこの共通項があるし、書かれていることは本当に永遠の真理だと思う。

ただ、出版が2015年で、社内向けに書かれた時期が2011年くらいとすると、ちょうど10年前。震災前後だと、まさに地の時代の象徴のような時期。この本の表現にもまだその匂いが残っていて、透明感より存在感、母性より父性を感じる。

ユニクロの前身はOS(小郡商事)って店だったのだが、当時、我々中高生は宇部市の銀天街のOSで服を買っていた。皆んなで遊びに行くとか、デートに来て行く服を買うとか、その時の選択肢はOSしか無かった。そして、OSの服は必ず一回着たらどこか破れるので、毎回新しいのを買わないといけなかった。

それが当時の皆んなの常識だったし、OSってそういう店でそういう服だった。そういう経営だったから小郡商事の社員が1人もいなくなったんだと思う。でも客の側としては、それはそれで楽しかった。「あの子と遊びに行くから今回はどれを買おうかな」と思える選択肢が沢山あったし、当時は流行のデザインでとにかく安く買えるOSが最強だった。

でも柳井さんは、きっとそういう経営者としてお客様への背信行為のような満足度の低い服を作っていたことに対して反省があるから今あれだけ品質にこだわるのだと思うし、あの数十万人に溢れた宇部市の銀天街がここまで錆びれてしまうことの栄枯盛衰をとても強く感じているから、企業の成長にあれほどの情熱を燃やせるのだと思う。

そんなこと宇部市民しか分からないと思うけど、あの街を知っているからこそ、柳井さんのその悔しさと熱がとてもよく分かるし、本当に柳井さんのユニクロは宇部市民にとって間違いなく誇りだ。いつか銀天街や百貨店の大和を復活させて、宇部まつりで沢山の中高生のカップルが楽しそうに綿菓子を食べる姿を見たい。宇部の再生をご一緒できるように頑張ろう。

#ユニクロ
#柳井正
#経営者になるためのノート
#宇部市

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