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駄文 #31 秘かな便り、あまりにも

こんにちは、抽斗の釘です。

4月に入りました。新しい生活がスタートする季節です。
新しい場所、新しい環境に、期待で胸を膨らませる方も多いのではないでしょうか。
かくいう私は便秘です。
胸など膨れず、大腸ばかりが膨らんでいます。

快便が唯一の長所と言ってもいいような私でした。
しかし不摂生か年齢のためか、ここに来て便秘という壁にぶち当たることに。(壁にぶち当たっているのは便もそうですが、今は心の話です)

気配はあるのに出てこない。いざ座れば遠のいていく。
なんなんでしょうか。ノックに扉を開けると誰もいない。そんな心境です。これはホラーなんでしょうか。

ここ数か月、少し長い小説を書いていました。
しかし毎度のことながら期限ぎりぎりとなり追い込む結果に。
過剰なカフェインと夜更かし、さらに昼食を飛ばしたり菓子パンだけだったり。
今まで朝昼晩と工場のごとく規則的に働いていた私の括約筋は、これまでのリズミカルな稼働から一転して混乱をきたしている様子。

よくある対処法は水分を十分にとること。そしてバランスの良い食事、快眠。
小説も書き終わり、生活リズムも戻りました。
しかし、出ない。
やはり便意はあるのに座れば遠のいていく。
歯を食いしばり青筋を浮かばせながらひねり出るのは、便りと呼ぶにはあまりに細く小さいものばかり。

そこで聞こえてくる「ふえーん」という子供の声。
「はいはい、いきます」
子供は親のトイレも待ってくれません。
子供を抱き上げ、するとふんわり便りの香り。
オムツを開けると、まあ、なんと立派な。
私の方が食べてるはずなのに。立派な大便り(おおたより)。
そこに秘かなものは何一つなく、偽りなくストレートに伝わる健康状態。それはまるで腸の歓喜の歌。
ああ、私も歌いたい。
秘かに、唸るようにではなく、水面にダイブするようなするりとした歓喜の歌を。
しかし出ないものは仕方ありません。
これも自分の体とのコミュニケーション。
どこが悪く、どうすればいいのか。
その方法の模索をも、楽しんでいければいいと思います。
これも新生活のひとつでしょうから。

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