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駄文#8 知りたい僕ら

こんにちは、抽斗の釘です。

最近は通り雨や天気雨、夕立などがたびたび見られる季節になりました。

わたしの家には大型の老犬がいるため、朝夕の散歩は欠かせないのですが、雨には気を配らなければいけません。
雨に降られて濡れてしまうと、老犬の足が泥んこになるし、何より臭いからです。

それで、散歩の時間になると驟雨を恐れ、天気予報アプリを見るのです。
最近の天気予報は優秀で、五分おきに自分がいる場所の予報をしてくれたりします。
一時間後に雨。
となっていると、
ならば今しかないと駆け足に犬の散歩に出たり。

けれど一時間たってもカラッと晴れていたりすることも度々というか、結構あって。
なんだ、予報と違うじゃないかと。
ならば暑い時間にわざわざ駆け足で行かなくてもよかったじゃないかと鼻息を漏らす日々です。

それで、つと思うのですが、
どうせアプリでも外れるし、
天気のことなど結局わからないのだから、
別に濡れても、雨に降られてもいいじゃないかと。
自分の服は着替えるだけだし、靴は乾かせばいいだけだし、
犬だってもともと濡れても濡れてなくても臭いのだから。

思えば学生のころなどはむしろ雨が降っても平気で、傘もあまり持たなかった。傘を持つぐらいなら俺は濡れるという具合で。

それで、いつから濡れることを、わざわざ検索してまで避けるようになったのか。そう思いました。

で、それは社会人になってからかなと思いました。
スーツを着る仕事をしていましたから、濡れては仕事にならないと、天気予報は毎朝チェックしますし、折り畳み傘だって鞄に携帯していました。
おそらく、そのあたりから、雨に濡れることを警戒するようになったのではと思います。
備えるようになったのです。

さらに考えると、生命保険に入りだしたのもそのころですし、積み立て預金を始めたのもそのころです。
鞄はできるだけ防水を選び、スーツは通気性と伸縮の良いものを。

生活の管理を自分で行うようになってからは、さらに項目が増えていきます。
食材はできるだけ新鮮で、調理がしやすいものを選び、
寝具はできるだけ高い睡眠がとれやすそうなもので、
洋服は汗のシミや汚れが目立ちにくいものを。
パソコンは、食器は、本は、薬は。

それもこれも、何のためでしょうか。
30代になって、ただの風邪がひどく辛くなりました。
腰はすぐに痛むし、少し走れば息が上がります。
体調を少し壊せばその日の生活、ひいては明日から続く生活のリズムが狂います。
ひとり暮らしならまだそれもいいでしょう。
しかし家族がいれば彼らにも面倒が及びます。

そして、その生活リズムをもとに戻すことは、ひどく労力を伴います。
時間か、お金か、ともかく余計な資源が必要となります。
だから私たちは備えなければならない。
夕立に濡れるようなささやかな問題も、どんな障害になるやもわかりません。
ちょっとした気のゆるみが、続くひどい労力の必要を強いる結果につながるのです。

だから、できるだけ予想して、問題は避けなければいけない。

夕方、おやつにカップアイスを食べました。
お腹が痛くなりました。

今日は晴れる予報です。
果たして本当でしょうか。


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