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駄文#25 ズキズキでビリビリ

こんにちは、抽斗の釘です。

日常生活を行っていると、定期的に起こる出来事、というものがいくつかはあるものです。

私にとってその一つが寝違え。

ひどい寝違えを起こしてしまい、先日から近所の整骨院にお世話になり始めました。

冒頭申し上げたように寝違えは私にとって珍しいことではなく、数か月から半年の間隔で起こります。
だいたいは、ある角度に首を曲げると痛む、それが2、3日続いて治る、といった具合です。その角度さえ厳守すれば問題はありません。

しかし今回は朝の目覚めとともに動けないことが判明。
起き上がるという動作はまず首を動かすのですね。
しかしそれが痛くてできない。
30分ほど格闘しようやく、スライムのようにベッドから滑り落ちて起床という方法を編み出しました。
そして床から立ち上がり、痛い。
ドアノブに手を伸ばし痛い。
湯沸かしポッドを持って痛い。
まるで首は鉄の棒のように固く、そして動かせばその鉄を打つような高く鋭い痛みが起こります。
何をするにしてもスターウォーズのC3POのごとくカタカタと機械的な動きを見せます。
心なしか飼い犬も不思議そうな顔でこちらを見上げるように思われます。
これでは日常生活がままなりません。

始めて整骨院に駆け込みました。
たかが寝違え程度で受け付けてくれるのか、自分で治すものだろうかと不安ながらに電話を掛けてみると
「できますよ」
と頼りのある返事。さっそく出向くことに。

アイシング、電気治療、マッサージ、鍼治療とあの手この手を尽くしてくださった甲斐あり、一週間ほどでやっと日常生活を取り戻しつつあります。
しかし整骨院の先生いわく、半年に一度の間隔でも普通じゃないとのこと。
言われてみればそうかもしれません。

さて、連日通えば先生との仲も、首の痛みのごとくほぐれていきます。
身内の話や趣味の話などを交わす際、腰も日頃から痛いのだと訴えると、腰の電気治療も併せてしていただくようになりました。

電気治療ですが、丸い石鹸ほどの大きさの装置を患部に置き、そこから電気が流れるようで、流れ始まるとぶるぶると筋肉が動くのが分かります。
で、その装置をただ背中の上に置くだけでは落ちてしまいますから、首や肩の部分はゴムバンドをたすき掛けに巻いて、そこに挟んで落ちないようにする、という格好で治療を受けていました。
それで腰はどうするのかというと、先生は唐突に、うつ伏せになる私のズボンのウエストを持ち上げると、できたその隙間に丸い石鹸大の装置を入れ込んだのです。
まあこれでずれ落ちないのでいいのですが、無言でウエストを引き上げられた時には面食らいました。どきりとしてしまいました。

それも数日続ければ慣れたものなのですが、ある治療を受けた日の晩、
私は風呂の脱衣所でハッと気が付いてしまいました。
体を捻って、自分の側面を鏡に写します。
”ああパンツが破れている”
そうです。パンツのゴム部分と布地の部分の間に、ダメージジーンズのごとく大きな切れ目が入っていました。
幸い、切れ目はセンシティブな部分までは到達しておらず、腰の肉が薄っすら見える程度です。
が、恥ずかしいと共に申し訳ない気持ちに襲われました。
今日も腰の治療をしてもらった。
いつものようにウエストを広げられて装置を挟み込まれた。
その際、先生はパンツの破れを見てしまったのではないだろうか。
ああ、お目汚し。

恥ずかしながら、そのパンツが破れつつあることは知っておりました。
しかし履き始めてまだ半年も経っていない。

私のパンツの履き方がまずいのか、実はこれも、私にとって定期的におこる症状なのです。
パンツの腰の部分が破れる症状。
なので正しくは、
”ああパンツが破れている”
ではなく、
”ああ、破れてるパンツ履いて行っちゃった”
なのです。

しかしこのパンツはパンツとしての仕事をまだ十二分に果たしてくれています。
そして、
”日常生活をしているうえでパンツを見られることなどない”
だから平気だと、そんな油断がありました。
しかし現状は、治療という日常生活から外れた生活をしていたのです。
首の痛みにかこつけて、すっかり配慮が抜けておりました。

が、今更どうしようもありません。
それに始めに断りもなくウエストを捲ったのはあちらの方。

と、開き直りながら鏡に振り向けるほど回復させてもらった恩を棚に上げ、

見えないところに日常の油断がでるのだな
と、しみじみ首をなでる次第であります。


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