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駄文#3 納得感を求めて

こんちには。抽斗の釘です。

スーパーに買い出しに行ったとき、店の前でなにやらイベントが。
風船がふわふわ浮いて賑やかそうに見えます。

入口手前でさっそく、お姉さんが声を掛けてきました。
「こども食堂って知ってますか」
そして県下の状況を説明され、アンケートに協力してくれないかということ。

やぶさかではありません。
私、アンケート好きではありませんが、何をしているんだろう、という疑問には答えを求めたがる性分なのです。
アンケートを見れば、なぜこども食堂のアンケートをとっているか、わかるはずです。

簡易的な机に案内され、紙を渡されます。
アンケートは生命保険会社のものでした。
内容はこども食堂についての認知。
そして県下の運営数は何か所かという問題。
さらに、全国の入院費の平均値はどれかという問題。

お姉さんの前置きの話もあったので、答えに〇をつけていきます。
そして最後に、氏名住所の記入欄。書くように促されます。

どうしてアンケートに名前が必要なんですか。
ふっかけているわけではありません。素朴な疑問でした。
しかしお姉さん、保険会社だから情報管理がしっかりしている、との答えです。

私は答えが欲しかったのです。納得のできる。
もう一度、どうして名前が必要なのか聞きました。
お姉さんは何も送ったりしないから大丈夫と答えます。

ここでお姉さんと私、どちらも同じことを思ったはずです。
「あ、これ(こいつ)、ややこしいやつ(奴)だ」
お姉さんはすぐに、「あ、書かなくても大丈夫です」と笑顔を向けてくれました。
私も「じゃあやめときます」と笑顔で返します。そして席を立ちました。

私も会社に従事していたことがあるので、おおかた分かってはいるのですが、お姉さんはきっと、「アンケートを集めるのが仕事」なだけです。

そこに、なぜやどうして、どうなる、といった疑問は不必要なのです。
言われた通りに数を集めるのが、アンケート収集の適正なのです。

それを、お姉さんも十分理解しているから、二人の間に摩擦が起きないよう、お姉さんの方から折れてくれました。
時間はお互いにとって有限なのです。
まさに、アンケート収集の美学かもしれません。

一方、私には難しい仕事だなと思いました。
どうしても納得を求めてしまいます。
なぜ氏名欄が必要なのですか、と本部に問い合わせるまではしないものの、なぜ、私は、必要かも分からない氏名を書いてもらっているのだろう、と、ふつふつと考え続け、そんなややこしい相手も上手くさばけず。
嫌になって逃げだすでしょう。

そんなことを考えながら、アボカドを買い物かごに入れる、夏のお昼のことでした。

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