まったく想像できないのさらに先のWiFi 7の妄想

さて、WiFi 7について、個人的に妄想しましょう。実現しない話ですよ(笑)

一次変調の4096QAMの導入

では、現実的なものから。
おそらく、4096QAM(3/4, 5/6, 20/40/80MHz)の導入をする可能性があります。
すでに開発はできているようで、8K伝送に使われるので、否定できないでしょう。
なお、IoTセンサー市場のため、20MHzの伝送モードは必ず残すものとします。

二次変調のOFDMAはそのまま

二次変調については、OFDMAで変わらないでしょう。
OFDMAを使う場合は、20MHz動作以外の場合、必ず省電力の「TWT(Target Wake Time)」を使用するものとします。

誤り訂正符号としてLDPCの必須化

送受信の誤り訂正として、WiFi 5でオプションだったLDPCを必須にします。
ただし、20MHzの伝送モードでは使用しません。

MU-MIMO アンテナ最大32×32本化

さあ、無茶を言い出しましたよ。
物理アンテナは、WiFi 5(802.11ac)で最大8×8本でした。これは、WiFi 6でも変わらないでしょう。これを最大32×32本にするというのは、まあ無茶ですね。
アンテナ数をほぼ無制限化に取り組むのではないかというのが私の予想であり、チャレンジです。むしろ、本数自体なくすのもありかもしれません。
WiFi 6で、アンテナ1本で論理的に600.5Mbps(8本で4804Mbps)となるので、32本になれば下りで最大19.215Mbps(18.7Gbps)となるので、論理的に10Gbpsイーサネットを抜きます。インパクトとしてはとても大きいでしょう。なお、帯域帯域幅は一気に320MHz(16ストリーミング)を確保するかは不明です。80MHz×3(12ストリーミング)はWiFi 6では実現済みのようです。80MHz単位で空き空間を探して複数配置していくというのもまたチャレンジでしょう。
さて、MIMOアンテナの32×32本はチャレンジと言いました。これは、いままで物理的に8本のアンテナを出して安定して強力な電波を出せたのが、スペースの関係上無理になるからです。
ですから、アンテナの形状自体が既にチャレンジです。扇形にするとか、複数アンテナをまとめて格納したものを出すとか、メッシュ状にするとか、かなり試行錯誤が必要となるでしょう。
一方で、これはローエンド・ミドルエンドに対する多アンテナ化のチャレンジでもあります。ローエンドは、アンテナ数2×2本が標準です。これを4×4本位まで引き上げられれば、ローエンドで2.4Gbpsと論理的にはギガビットイーサネットを超えます。WiFi 5のハイエンドの多くが4×4本です。これもまた、インパクトになるでしょう。
一方で、互換性としてSU-MIMO 2×2本は残すものとします。これは、WiFi 5と同様のWiFi 4までの互換性確保です。

IEEE 802.11ahの取り込み

これは、IoTのチャレンジです。しかし、認知度がとても低いです。ルーターへの実装の可能性はとても低いです。特に欧州の868~868.6 MHzというのは帯域不足が深刻でしょう。
IoTにとって、5Gの場合は、電波の回り込みがしづらく距離が飛ばないのに、オーバースペックの場面が多いでしょう。そして、NTT/KDDI/ソフトバンク/楽天へのお金の支払い等の契約の問題も発生します。その意味では、IEEE 802.11ahは自由度の高い、業務用途に向いたものです。しかし、スマートフォン・家庭用機器では不要なものです。隠し要素として実装するのがベターかもしれませんが。
900MHz帯を使用しますが、国によって使用できる範囲が異なります。日本では「916.5~927.5 MHz」です。915MHz~930MHzの「RFID帯域」の範囲であり、混信の容認が必要です。想定伝送距離は1kmまでです。
帯域が低いため、電波の回り込みは良いでしょう。その代わり、速度は出ません(IoTは速度は必要としないでしょう)。5Gと違い、SIMなどは必要ないでしょう。
※欧州の868MHzは日本では携帯電話(KDDI/バンド18)用の周波数帯です。900~915MHzは日本では携帯電話(ソフトバンク/バンド8)用の周波数帯です。

IEEE 802.11ad/ayについて

60GHz帯という高帯域を使った通信です。ルーターへの実装の可能性はとても低いです。
高帯域であるが故に、遮蔽物に極めて弱いです。壁は越えられないでしょう。距離も出ないでしょう。
今後、遮蔽物対策をしない限り、使われる見込みの少ないものと思います。
ただ、戦略的にWiFi 6等でIEEE 802.11ayが取り込まれる可能性はあります。

総論

MIMOのアンテナ以外、特筆することはありません。
ただ、個人的に「業務用途」の「IEEE 802.11ah」の活用だけはなんとかならないかというのがありますね。スマホがクライアントになることはあり得ないでしょうが。
しばらくは、WiFi 6/WiFi 6Eの時代が続くでしょう。

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