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ポーターの『競争の戦略』を使いこなすための23問

投資に役立つ本を紹介するコーナー。

本日は深いレベルのファンダ分析に必要な競争戦略の視点を使いこなすための本。

私の中では日本の経営学者の中で本当に面白いと思う人は3人だけいて、それが、一橋大の楠木健先生、早大の入山章栄先生、そしてもう一人が今日紹介する名商大の牧田幸裕先生。

この3人は、理論だけを語るのではなく、実践に繋げるのがとても上手い。 なによりも、文章から伝わってくる良い意味での「変態」感が良き。つまり、「人として他の人と違う」感じがする学者たち。この人たちは学者の道でなくビジネスの実践の道にいたとしても成功してる人たちだと思う。

そして、伝える力もある。難しいことを難しく語る学者が多い中、3人の特徴は、誰でもわかるように、難しいことをより簡単に、より楽しく語る。少々話がくどくなり独特な感じがでるのは、誰でもわかるようにといういわば他者思考、いいかえるとマーケティング思考に優れているから。他者思考だからリアルに人にモテる人たち。

さて、おすすめする本は『ポーターの『競争の戦略』を使いこなすための23問』。ポーターの競争戦略の解説本を数多く読んだ中で、これが一番わかりやすい。

タイトルに「使いこなすための」とあるように、とても実践的で、読者がフレームワークを使えるようになることを目指していることがわかり、その辺もよき。競争戦略を勉強するならポーターの原著とこの本でよいと思う。

刊行から12年経っていて少し事例が古くなっているとはいえ、それでもポーターの理論フレームワークを使いこなすための事例としては十分。

むしろ「失われた30年」の間に日本企業が陥っていた戦略のない状態や衰退の原因までも垣間見ることができる。そして、いま、日本企業はどのように変わったか、そんな思考実験を自分で延長することができる。

著書に『ラーメン二郎にまなぶ経営学 ―大行列をつくる26(ジロー)の秘訣』もあり、ラーメン二郎をマニアックかつ理論的に語るド変態っぷりもよき。これも面白い本。


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