『LAYLAND』長岡亮介&aus

先般の記事では随分とざっくりした話を書いてしまって、ausは00年代から活躍していた(というか2008年の『After All』というアルバムが活動停止前最後らしいが、昨日紹介した作品は2010年となっている。よく分からない…)ようで、しかもちらっと聞き覚えのある、とあるアーティストが捕まった話においても被害を被っていたようだ。そういった大変な時期を乗り越え、2023年に15年ぶりのアルバムを出したようだが、今回はそちらではなく、今年に入ってから出た新譜の話。たまたま聴いたアーティストが最近復活したというだけでもなんとなく嬉しい話だったのだが、コラボEPでその相手が長岡亮介というのだから驚いた。
長岡亮介の音楽活動というと、どうしても東京事変や星野源との活動などに目がいき、ペトロールズなどはあまり追えていない。だがいずれにしてもきちんと長岡亮介らしい音みたいなものがあり、それがどういった場でも周りを侵食しない程度にハマってくる。意識しないとただ普通に良いけど、これってもしかして?と思うとだいたいその通り。長岡亮介の奏でる音にはそんな印象を持っている。
このEPにおいては、前述の東京事変や星野源とは全く違ったアーティストとのコラボとなっているので、新鮮な印象がある。お互いが楽曲のどの辺までを持っているのか(例えば大筋の作曲はどっちがやっているかなど)はあえてあまり調べていない。だが、少なくともとても良い混じり合い方をしているように思う。前回書いた『Light In August,Later』に比べるとリズムがはっきりとした楽曲が多く、ひたすらに浮遊感のあるサウンドに比べると輪郭がもう少しはっきりとしている。雑駁な言い方になってしまうが、洒落た雰囲気を持った楽曲が多い。だが、それだけでなく、ausの持つエレクトロニカ、電子音楽的要素も十分に内包している。
ポップな要素に溢れているわけではないのに、とても聴きやすくて繰り返し聴ける。聴けば聴くほど心地良くなる。

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