『from here to there』Ryu Matsuyama

ご近所さんで音楽好きのジマーマン氏が自宅で開く「OMIYAGE TRACKS」に初めて参加した際、どなたかがかけた『kid feat. 優河』がとても耳に残った。優しいピアノ、美しいコーラス、リズム隊のないまま進行する穏やかな空気感がとても心地よく、しばらくこの曲だけをリピートしていた。Ryu Matsuyamaの名前は(なぜか個人名のようでバンド名であることも含めて)ちらっと聞いたことはあったが、アルバムを聴いたことはなく、せっかくだから聴いてみようと思ったのは、聴き始めてから3か月ほど経ってからだった。
まず何より驚きだったのはずっと聴いていた『kid feat. 優河』が序盤も序盤、2曲目だったということだ。雰囲気的にはアルバムの中盤から後半にかけてのあたりに配置されそうな曲だなと思っていた。だが、ひとしきり聴いてみて、こういう楽曲を最初に持ってくるのもありなんだと納得できたし、結構新たな発見だった。洒落っ気のあるリズミカルな曲も多数あり、単純に聴いていて爽やかで心地よく、楽しいアルバムなのだが、曲順の印象で全体の空気がとても柔らかいものになっているように感じる。まぁ単純に私の耳なじみの強い曲が『kid feat. 優河』だからということもあるとは思うのだが、序盤でキャッチーな曲を持ってきて勢いを持たせるのではなく、全体の印象づくりをするアルバムというのはあまりあったことがなかった気がする。とても良い出会いだし、しばらくリピートすることになりそうだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?