宮崎から大分へ、そして…

高千穂では、ユースホステルでゆったりとした時間を過ごした。
もう一泊して体を休めてもいいかと思える程だった。
後ろ髪を惹かれつつ、歩き出した。

僕の中で、高千穂狭の件もあったので、九州自然歩道を歩くルートをなぞりつつ迂回する事にしていた。
結局は、くじゅう連山のルートも、令和豪雨の為に通行止めになっている。何度も九州自然歩道と交錯しつつも、大きくくじゅうを周ることになったのだった。

日々、言いしれぬ想いに…

道路を歩く事も、迂回する事も、自分自身納得していた。いや、納得しようとしていたし、頭ではわかっていた。考えてみれば、英彦山に至るまでの道で、すでにトレイルを歩くというモチベーションは地に落ちていた。
むしろ、2000キロを超えた今まで良く歩いていたなと驚く。

正直、何度も「帰ろう」と思った。自分自身やっている事に意味も何も感じていなかった。

そんな時、色々な方々に出会い、僕はこうしてここまで歩いてこれたのかもしれない。

意味の無い事はない

そう言い聞かせるしかない。しかし、まんざらそうでもない。
僕がこれまで出会った方々、ネットを通して出会った方々、これからレポートを書く事で出会う方々に、九州自然歩道にもう一度目をむけて頂くチャンスになると思う。そこから、九州自然歩道再生の機運が高まる事もあるかもしれない。

そう、頭ではわかっていても、ハイカーとして、スルーハイカーとして、心がついていかないだけなのだ。

山は登るとその姿は見えないが、山麓を歩けば、その山がどんな形なのか?地域の文化や歴史と同結びついてきたかがわかる。

まさに、実感した。

だから、今回迂回したことに意味があるとは頭で理解できた。

そして、くじゅう連山を抜け、山麓にある宝泉寺温泉にたどり着き、ゼロデイを取った。
周りには何もない。
だからこそいい。何もしない宿での過ごし方に自分なりの心地よさを見出し始めている。

ここから、玖珠に一泊して食料をしいれれば、28日には福岡、30日には英彦山へたどり着く。
すでに、英彦山までは100kmを切っているのだ。

喜びは無いかもしれない。
達成感もないかもしれない。
終わってほっとすると思う。
歩きおえても、もやもやするだろう。

しかし、これは想像でしかない。

道が終わりを告げる時、僕はどんな感情なのだろう。
4日後にはわかる。

つづく

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