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【発見】モータウンビートの邦楽曲の歌い出し、一緒じゃね!?

前置き

昨年のクリスマスにホロライブのさくらみこさんの『僕らと君のうた。』という楽曲をREMIXしてYouTubeに投稿しました。このREMIXは田中秀和様作曲のアイカツの『Angel Snow』という曲を参考にしています。

Angel Snow

『Angel Snow』を参考曲にした着想は、冬の曲であることとキーに共通点があったためです。
主に参考にしたのがコード進行、ベースのリズム、サビ前のキメの部分です。まあ聴いていただくとほぼ盗作レベルですね。概要欄で明言してますの
でリスペクトということにさせてください。後リリースされて17時間後に投稿というスピード感ながらも結構聴きやすい感じになっていて我ながら上出来だと思っています。

モータウンビートの邦楽曲

そんな聖夜をみこちと過ごして悦に浸っている秀和予備軍の私事はどうでも良いのですが、
一方で『Angel Snow』はまた『MajiでKoiする5秒前』という曲を参考にしているらしいです。※1
聴いていただくと、こちらもベースの特徴的なリズムが引き継がれていることがわかります。
このベースパターンに興味が出てきて調べてみると、モータウンビートというらしいです。そういえば他にもこんなベースパターンの曲あったよねーと思いつく限り書き出してみました。

  • 歩いて帰ろう/斉藤和義(1994)

  • MajiでKoiする5秒前/広末涼子(1997)

  • キミがいる/いきものがかり(2010)

  • Angel Snow/STAR☆ANIS(2012)

歩いて帰ろう

【公式】広末涼子「MajiでKoiする5秒前」 (MV) RYOKO HIROSUE/Maji De Koi Suru 5byoumae MK5 【1st シングル】

いきものがかり 『キミがいる』Music Video

これらの曲を聴き直してみたんですが、気づいたことがあります。それは・・・

歌い出し(Aメロ)のメロディ、一緒じゃね!?

実際に楽譜に起こしてみたので、見ていただきましょう。


歌い出し

キーが違うのでぱっと見似ていないと思われるかもしれませんが、移動ドで考えると最初の1小節の音列が大体八分音符単位の「ミ#レミファミ(#)レ~」から始まっているのです。キミがいるに関しては刺繍音の#レが移動前のミなだけなので、聴いた感じはほぼ同じに聞こえると思います。
更に時代を遡っても有名な類例がありました。

プリンセス プリンセス 『Diamonds <ダイアモンド>』

  • Diamonds/プリンセス プリンセス(1989)

Diamondsの歌い出し

こちらも小節頭に音が入っている以外は、漏れなく「ミ#レミファミ(#)レ~」の例の一つであることが分かります。
時系列を追って整理すると、

  1. プリンセス プリンセスがモータウンビートを使った楽曲を作る

  2. 斉藤和義が小節頭の音を抜いたメロディを使う

  3. 広末涼子、いきものがかり、田中秀和様が同じメロディを使う

という形になります。作曲家とアーティストの区別がついてないのはすみません。また後に生まれた楽曲が先に生まれた楽曲をパクったとか主張する意図は全くございません。
ここまで同じメロディが出てくるというのは最初にメロディを考えたプリンセス プリンセスが凄いのですが、次に小節頭の一音を抜くという斉藤和義の発想も凄いです。追随する曲全てに当てはまっていますからね。
勿論私の思いつく限りでの話なので、他の曲でも当てはまる物、当てはまらない物、あると思います。それに名前にもなっているモータウンレコードの楽曲を挙げないというのはどうなんだって感じですが・・・ちょっと調べてみた限りでは、同じようなメロディの曲に巡り合えませんでした。
もしプリンセス プリンセスより前にモータウンビートでこのメロディを使っている楽曲があれば教えてください。私も追々探していきたいと思います。

考察

とにかく、今まであげた5曲に関して使われているベースのリズムと歌い出しメロディが同じというのは見過ごせない事実なので、何故ここまでメロディが一致したのかという考察をしてみました。
まず一つは、先駆者のメロディに影響を受けた、参考にしたからという理由です。自然な推論ではあると思いますが、無意識に影響を受けてしまうということはあれど、有名な既存楽曲のメロディをなぞるというのはプロの作曲家として意識的にやるというのは避けたい所でしょう。
そこでもう一つ挙げたいのは、件のメロディがモータウンビートと非常に親和性があるからという理由です。メロディをトレースするという罪悪感より、楽曲を構成する要素のシナジーの高さが勝ったということです。
では何故親和性が高いのか?それは「伝統的なモータウンビートへのリスペクト」ではないかと考えられます。モータウンビートは、単音の連続なのに聴いただけでウキウキしてしまう。その素晴らしいベースに乗せるメロディもまた寄り添うように単音で始めたい。ただ抑えきれない昂揚感が刺繍音に表れた。そんなイメージですね。

まとめ

作曲におけるメロディと編曲におけるリズムパターン。工程が独立していて別個に考えてしまいがちだが、それらが重なると時としてとてつもない相乗効果を生むことがあるのだ!
これから楽曲を鑑賞する時、メロディと編曲の関係性を意識して聴いてみると新しい発見や感動があるかもしれません。

出典

※1 赫奕たる異端"田中秀和"、その野望のルーツhttp://blog.livedoor.jp/swan_song175/archives/1073220120.html

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