あすか会議2018に参加してきました。

2018年7月7日、8日の二日間、グロービス経営大学院が企画するビジネスカンファレンス「あすか会議」に参加してきました。
「有名な人の話聞けて刺激受けたー」「懐かしい知人に会えて楽しかったー」で終わってしまいそうだったので、自分の備忘録の意味も込めてメモとして残しておきます。

参加した分科会などのスケジュールはこんな感じ。
■7日(土)
①第一部全体会「テクノベート時代の日本を良くする『100の行動2.0』」
②第二部全体会「テクノベートが作り出す未来~リーダーが今やるべきこと~」
③「競争優位を生み出すデザイン×クリエイティビティ―」
④「テクノベートが帰る動画ビジネス」
■8日(日)
⑤【平成うまれ集まれ!】20代でグロービスに一歩踏み出した私たちの人生デザインとは?
⑥「テクノベート時代のシェアリングエコノミーの進化」
⑦「大観光時代を勝ち抜く戦略~訪れたい地域のつくりかた~」

それぞれ順番に学んだことのメモを書いていきます。

①第一部全体会「テクノベート時代の日本を良くする『100の行動2.0』」

登壇者
・鈴木英敬氏 三重県知事
・平将明氏 衆議院議員自民党ネットメディア局長
・柳川範之氏 東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授
・堀義人氏 グロービス経営大学院学長

 政治も絡めて、MBAを学んでいる自分たちが今後どう行動していくべきかのパネルディスカッション。電子政府、防災省の設置、子どものための財源確保など。
 正直言って、話が大きくてポカンとしてしまったけれど(政治分野の勉強不足を反省。。)、「一番近いコミュニティーである家族がうまくいくことを考える、所属する組織(会社)を良くすることを考える、そして国家について考える」という堀さんの壮大な価値観、使命感に触れられたのは良かった。もっと大きな展望を持って行動していかないと。
【アクション】
・配布されていた書籍「100の行動」を読む
・もうちょっと政治に関心を持って情報を取りに行く

②第二部全体会「テクノベートが作り出す未来~リーダーが今やるべきこと~」

登壇者
・安宅和人氏 ヤフー株式会社CSO
・高橋智隆氏 株式会社ロボ・ガレージ 代表取締役社長
・高橋政代氏 理化学研究所 
・小泉文明氏 株式会社メルカリ COO

 そうそうたるメンバーのパネルディスカッション。AI、IPS細胞、ロボティクスの先駆者の方々の個性の強さ、尖り具合が面白かった。
 よくあるAIの普及に対する不安に対する議論やロボティクスの分野で日本が一矢報いるための方法について等。安宅さんの「AIによって、今のプロフェッショナルが全く把握していないような事態が起こる。不安なんて感じずに楽しみにすべき!未来に張れ!」と個性的なキャラクターで言い切っていたのが印象的。
 また、プロフェッショナルの方々の世間に対するテクノロジーへのリテラシーの低さについて感じている点は、レベルは全然違うが、一応工学系大学院を出て、技術者として数年働いた自分も感じていた感覚。企画系職能になっても深いテクノロジーの議論についていけるよう勉強し続けないといけないなと感じた。
【アクション】
・新しいテクノロジーを表面的ではなく深く理解する努力
・たまには久しぶりに電子工作等してみる

③「競争優位を生み出すデザイン×クリエイティビティ―」

登壇者
田川欣哉氏 Takram代表
遠山正道氏 株式会社スマイルズ代表取締役社長
水野学氏 good design company代表
小笠原治氏 株式会社ABBALab 代表取締役、京都造形芸術大学教授

 二日間でも最も印象的だったセッション。今学んでいたり、仕事で行っている一般的なマーケティング理論の真逆をいくような議論だった。遠山さんのスタイルは、一般的なターゲットやペルソナを決めて、顧客の声を聞いて、そこを狙っていくといったプロセスを一切つかわず、自分が作りたいと思うものを作るというもの。「会社はアート、自分の作品。その時々で変わるような顧客の姿を追っかけていても仕方ない」という言葉が衝撃だった。遠山さんのようなスタイルは一般人には難しいのだろうけど、そんな経営スタイルもあるということを頭にいれておきたい。
 また、センスに関する議論で「センスが良いとか悪いとかという世界基準はなく、センスというのは好きか嫌いかのジャッジでしかない」「好き嫌いがはっきりとしている経営者との方がデザイナーは一緒に仕事がやりやすい。」という意見が、パネラーの皆さん一致している意見だった。そもそも自分の好き、嫌いを把握できていない人が多い。ひたすらいろんな雑誌を読み気になるものに付箋を張り付けて、後で振り返ってみるのが自分の好き嫌いを見つけるのに有効とのこと。
【アクション】
・自分の好き嫌いを見つける(雑誌のプロセスを実践)

④「テクノベートが帰る動画ビジネス」

登壇者
・代表取締役 上坂優太氏 株式会社Viibar
・芳賀洋行氏 InstaVR株式会社 創業者・代表取締役社長
・吉田大成氏 株式会社エブリー 代表取締役 
・間下直晃氏 株式会社ブイキューブ 代表取締役社長 

 急速に成長してきた動画ビジネスについてのパネルディスカッション。動画コンテンツの制作、マーケティングやVR・ARに関する話題など。今後ネット上のトランザクションの8割が動画になるらしい。
 VR制作・配信プラットフォーム提供ソリューションを提供しているInstaVRの芳賀さんの話で、9割が社内の人材育成に活用されているとのこと。たまにしか起きない事故に対する訓練や、ある特定の場所でしかできない訓練にVRを用いることでコストの抑制効果があり、コンサルティング収入を得ている。
 動画プロモーションに関する話では、「これだけお客さんとのタッチポイントがTV⇒ネットに代わっているのに、未だに日本の一般的な広告宣伝費の大部分がTVCMに投資されている。この風習を変えていかないと日本の動画市場が成長しないし、企業もどんどん効率の悪い宣伝手法ばかりで競争力を失ってしまう。」との議論があり、広告を依頼する側も風習、これまでの常識に捕らわれず、適切な打ち手を打てるよう、判断できる力、実行に移す力をつけなければと感じた。大きな組織に所属していると、普通に考えればおかしい選択肢を、雰囲気、風習で選んでしまうことは多々あることだと思うので。
 その他、商品を直接プロモーションするような動画コンテンツよりも、例えば調理動画のコンテンツに調理家電が自然に出てきて、その調理体験を感じさせてくれるようなコンテンツの方が圧倒的に好印象を持たれる話等あり。動画市場とあたらしいマーケティングについて気づきの多い分科会だった。
【アクション】
・新しい動画関連アプリ、サービスに常に触れるようにする。

⑤【平成うまれ集まれ!】20代でグロービスに一歩踏み出した私たちの人生デザインとは?

 グロービスの学生が企画するグループディスカッション企画。朝7時集合。。僕はグロービスに通う20代が集まるグループに参加しました。
 グロービスの中でも20代は全体の14%というマイノリティー。色んな世代の人と関われるのがグロービスの良いところでもあるけど、たまには同世代でも集まってみたい、そんな思いで参加しました。
 内容は、課題図書として「10年後の仕事図鑑」をそれぞれが読んできて、感じたことの共有。その後、それぞれが事前に作ってきた目標達成シート(大谷翔平選手で有名になったやつ)についてそれぞれフィードバック。

 目標達成シートに関しては、「MICEに網羅してしなくて偏っていても、それがその時の感情を表しているわけだから、その偏りも重要と考えられるのでは」等新しい視点が得られた。また、改めて真ん中の目標がまだまだぼんやりしているな、と再認識。定期的に今回作成した目標達成シートは確認し、更新していきたい。

⑥「テクノベート時代のシェアリングエコノミーの進化」

登壇者
・秋好陽介氏 ランサーズ株式会社 代表取締役社長
・天沼聰氏 株式会社エアークローゼット 代表取締役社長/CEO
・金谷元気氏 akippa株式会社 代表取締役社長
・重松大輔氏 株式会社スペースマーケット 代表取締役/CEO

 中国のシェアリングサービス事情についての議論、パネラーそれぞれのサービスの今後の展開など。
 前々から中国では日本よりも文化的な背景等から、シェアリングサービスが広まりやすいという認識はあったけれども、最近上海に訪問してきたばかりの重松さんの話を聞いて、想像以上だなと驚かされた。そもそもマーケットが大きいので、3年前に立ち上げた自転車シェアリングサービスのofoは、現在は一日に3600万回使われるサービスになっているとか。。また、シェアリングサービスに対する考え方がまずはやらせてみて、様子をみて徐々に規制していくという姿勢。一体、上海はどんな状況になっているのか。一度行ってみたいなー。
 その他、「ランサーズは個人が経理、法務等の機能をパッケージとして得られるオプションを展開していくなど、より個人が参加しやすい取り組みを行っていく」「akippaは単なる駐車場貸しだけでなく、目的地を入れると最適な手段が提案され、一括予約できるようなモビリティープラットフォームへ展開していく」といったシェアリングサービスの今後の展望が聞けた。
【アクション】
・自分がシェアリングサービスを積極的に使ってみる
・上海に行ってみたい。(チャンスをうかがう。。)

⑦「大観光時代を勝ち抜く戦略~訪れたい地域のつくりかた~」

登壇者
・加藤史子氏 WAmazing株式会社代表取締役/じゃらんリサーチセンター 客員研究員
・仲川げん氏 奈良市長
・山野智久氏 アソビュー株式会社代表取締役社長
・柳沢正和氏 ドイツ証券株式会社 共同株式営業部長
・藤沢久美氏 シンクタンク・ソフィアバンク代表 

 訪日外国人の増加し続ける中、「訪れたい地域をつくる戦略」とは何かについて議論。奈良をケースにどのように地域の自然や文化の魅力を創出、発信すればいいのかについて話が進んでいた。
 奈良のように客単価が低い都市として、鎌倉、伊勢等があり、それらは観光客がほとんど宿泊してくれないことで客単価が下がっている。夜18時以降まで客にその地域に滞在させることができれば、ほとんどの人が宿泊するようになるデータがあることから、KPIを顧客の18時まで滞在率に設定し、そのためのコンテンツを打ち出してみては?という意見で盛り上がっていた。例えば、夜は普通しまっているお寺を夜間開放し、夜にしか体験できないコンテンツを打ち出すなど。
 逆の視点では、鎌倉は最近「清く正しい朝ごはん」といコンセプトで朝ごはんを鎌倉で食べることを訴求し、朝早く起きてわざわざ鎌倉に来てくれる人を増やしているそう。
 そのような取り組みを考える際にもその土地だけの歴史・食・気候等をひたすら探求していくしかなく、「うどん県」ぐらいの「その地域だけ」を見つけないといけないというまとめだった。
 地元の福井県大野市関連のコミュニティーとして関わっている東京912の活動にも何かしら活かしていきたい。
【アクション】
・仕事で関わっている地域や、地元大野の「ここだけ」を探し続ける

まとめ

 あすか会議のしめくくりは、田坂広志さんの「使命」に関する話。田坂さんの壮絶な人生について聞いた上での「あなたの命、何に使いますか?」の問いは、かなり響きました。
 今日からその問いの答えを見つけるべく、頑張っていきます。



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