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不眠散歩・ホタル

つれづれと、不眠日記を書きます。

今日こそは熟睡!とモフモフ布団を準備して臨んだのに、(布団干した)
また上手く眠れなかった。
PC眺めててもタブレット眺めてても、漫画を読んでも小説読んでも
カクッ、と意識が途切れるくらいに眠いのに
いざ布団に入ると眠りに落ちていかない。
カクッ→布団→やっぱり眠れない を何度か繰り返してはとうとう諦め、
そして夜の散歩に出た。

たかだか23時過ぎなのに、ほとんど人を見かけない。
ときどきすれ違うのは数人組の中高生たちだ。
子供にとっては「たかだか」とは言えない時間かもしれないけれど、
わたしも受験生のころは帰りがそのくらいの時間になったりもした。
このご時世、塾通いもままならないだろうな。
ここ最近、ひるまの住宅街は人であふれるようになった。
休日なんかとくに、遠出できない人々が家族で連れ立って近所の公園なんかにやって来る。
そしてすっかり、夜が早くなった。
開いているのはコンビニくらい。飲食店はほとんど休業中だ。
普段なら24時までやっている銭湯の明かりが消えている。こちらももしかしたら休業しているのかもしれない。

竹林の側を通ると、風で竹が揺れて擦れ合う音がする。
キャアアア、クワァ、ギョワアアア。
十二國記で陽子を襲った妖魔って、こんな鳴き声なんじゃないかしら。
店々の明かりが無いぶん路地は暗い。そこを歩くのはやっぱり怖い。
生きた人間と幽霊とではどちらが怖いかといえば人間なんだろうけれど
やっぱりわたしは幽霊が怖い。
怖すぎて一度も見た事がないくらいだ。じゃあこんな時間に歩くなよ。
あ。そうそう。
女性はとくに、いや男性でも、夜中にひとりで歩くのはお勧めしません。
やめようね。
わたし? わたしも、良くないです。ごめんなさい。
体を動かして疲れさせて、無理矢理にでも自分を眠らせたかったの。

けっこう歩いた先に、ホタルの見れる森がある。
わたしの目的地はそこだった。
ホタルは、いた。
と言っても、毎年ふたつみっつ、光の点滅が見えればいいほうなんだけど
それでもホタルがいると嬉しい。
時期が早めだからか、ホタルも成虫になりたてで元気がいい。気がする。
見ていて飽きない。
けれど暗闇が怖いので、適当なところで引き上げる。

近くの神社にも寄っていく。
この神社は、彼氏(現在の同居人)との復縁を願いに来たことがある。
彼とは、半年以上会わない時期があった。
もうダメだろうと思っていたし、正直、待っているという感覚も無かったんだけれど、ふと、お願いしてみようと思い立ったんだった。
夜中の神社はあまりよろしくないと聞いたこともある。
まあでも、そういう事とは関係なく、今日は、願い事などはしなかった。
今現在、自分自身でも、自分がどうしたいのかどこへ向かいたいのかが整理できていないから。
「今よりとにかく良いカンジに!」みたいな杜撰な願いなど、いくら神様が万能であったとしても聞き入れてはもらえまいよ。
挨拶に来ました、と手を合わせる。

神様は、いるのかな。
いてもいなくても、わたしごときには分からない。
でも脳は勝手に神様の声を捏造する。
「望んでふたたび縁が繋がったのなら、大切にせにゃいかんぞ?」
優しく、丁寧に、誠実に、接しているか?
うんかなり頑張ってる。きっと合格点をもらえるだろう。
仕事との縁も、もしまた繋がったら、その時は大切にしよう。
優しく、丁寧に、誠実に。

仕事に対して、優しくしようと思ったことなんて無かったな。
次にチャンスがあったら、きっとこの事を思い出そう。

夜の散歩は好きだ。
褒められた事ではないし、なんならダメな事なのかもしれんけど。
夜に歩けば棒に当たる。ような、気がする。
生きてる人間に
生きてるわたしに
優しく、丁寧に、誠実に。

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