ひかるなみ

イラストエッセイかいてみた/ライター/鹿児島の海の近くで暮らしています。手描きの絵と文…

ひかるなみ

イラストエッセイかいてみた/ライター/鹿児島の海の近くで暮らしています。手描きの絵と文字、言葉で、日々のことを綴ります。

最近の記事

うちのテツ

テツは、ツキノワグマみたいに胸に白い毛がはえた黒い犬だ。 足には白いくつ下をはいていて、しっぽの先がちょっとだけ白い。 テツは、保健所から連れてきた保護犬。 檻の真ん中で、きちんと“おすわり”してまっすぐに私をみつめる姿がとても印象的だった。 ほかの犬たちは、必死で鳴き叫び、出してくれと切なく懇願しているのに。 (その子たちの姿を、私は17年たった今でも忘れることができない) テツは、助けてもらった恩返しのつもりか、張り切って番犬の仕事をしてくれ、ご近所さんからも人気の

    • 見えても、見えなくても。

      その時間に名前がついていることを知った時、 子どもの頃みたいに、ときめいた。 英語では、Blue hour。 夜明け前の、眠りから解き放してくれる群青と、 日の入り後、夜に吸い込まれていくような、深い深い藍青のグラデーション。 毎日、見えても、見えなくても、青の時間が訪れる。 4月の満月はピンクムーンと聞いて、黄昏どき空を見上げ、満月を待った。 青の時間は、ほんの数分。 だけど、刻一刻と青を深める移ろいの美に、心も満ちていく不思議。 すでに藍色に染まった空に、月の面影

      • 探しものは、なんですか?

        私はいつも、探しものをしている。 出かける時、携帯がない。財布がない。使う時に限って、ペンがない。思えば、小さい時からずっと、そうだった。   その血を受け継いでしまったのが、次女だ。 小学1年生の時なんて「行ってきまーす」と元気いっぱい、 ランドセルを玄関に置き忘れて出発したこともある。 このままじゃいけない。 私はもう、いい大人だ。そろそろそんな自分から卒業しなければ。 思いつくものをとりあえず、全部カバンに詰め込んだ。よし! ところが……不安がいっぱいつまったカバ

        • 胃ケイレンをなだめた、魔法の本

          日曜日の夜、じわりじわりとやってきた胃の痛み。 前にも何度か経験があり、病院では決まって「ストレスからくる胃ケイレン」と診断されていた、あの痛みだ。 痛くてじっとしていられない。 うずくまって唸っている私をみて、びっくりした夫と次女が、「病院に行こう」とオロオロしていたが、コロナも気になるし、なるべくなら夜の救急外来には行きたくない。 変な汗が出てきて、息も荒くなってきて、もうろうとしながらそれでも、”何かいい方法”を探っていた、その時! 「あれ!持ってきて」 机の上に

        うちのテツ

          あのう…それ、入っちゃいけないやつです。多分。

          断捨離をしていたら、自ら入っていかれました。 わが家の、オッドアイの白猫、まあちゃんです。 箱と袋には、目がない。 悲しい性です。       2022.2.22 スーパー猫の日によせて

          あのう…それ、入っちゃいけないやつです。多分。

          はじめまして。

          ひかるなみと申します。 鹿児島でライターをしています。 わが家の三姉妹の長女に子供が生まれ、40代で“おばあちゃん“になりました。 2歳になった孫は、私のことを「バービー」と呼んでいます(笑)。 孫が生まれて、私の見える景色が変わりました。
ものに名前があることを知った彼は、 「おはな~」「つき~」と、目をキラキラさせながら指さします。 
世界の全てが、美しく、愛しい宝ものみたいに。 そして、「みてみて!」と「みんな」で共有しようとするのです。 私は、アトピーになった経

          はじめまして。