タイムアウトの言葉がけ

バスケットボールのタイムアウトは、チームにとって戦術的な再構築の機会であり、感情の整理と再集中の場でもあります。一般的には、タイムアウト中に何を話すべきかについて、様々な意見があります。確かに、戦術的な指示は重要ですが、感情がマイナスの状態でそれを伝えても、選手たちにはなかなか届かないものです。なぜなら、我々は感情によって動かされる生き物であり、特に劣勢の時には感情の切り替えが急務です。

劣勢に立たされた時こそ、感情を整理し、ポジティブな気持ちに切り替えることが重要です。そのために、タイムアウトの最初に行うべきことは、選手たちの心情を落ち着かせることです。例えば、相手チームの強さを認めつつも、自分たちの強みや可能性について話すことで、選手たちの自信を取り戻すことができます。また、失敗やミスに対して責めるのではなく、次に向けて前向きな気持ちで取り組むようにエールを送ることも大切です。

その後、感情が整理された選手たちに対して、具体的な戦術面の修正を指示します。しかし、これも重要なポイントです。ただ戦術を指示するのではなく、それを前向きな気持ちで受け入れられるような形で伝えることが求められます。選手たちが自分たちの力で逆転を目指せるような戦術を提案し、彼らの協力を得ることが成功の鍵です。

最後に、次のアクションを明確にすることも大切です。タイムアウトが終わった後は、選手たちがコートに戻ってもすぐに行動に移せるように、彼らが理解しやすい形で次のプレーの方針や役割分担を示します。これによって、戦術を実行する際の混乱や迷いを減らし、チーム全体の一体感を高めることになります。

バスケットボールのタイムアウトは、単なる戦術の修正だけでなく、感情の管理やチームの結束を深める重要な時間でもあります。感情を整理し、前向きな気持ちで次のプレーに臨むための土台を築くことが、勝利への道を切り拓くことになります。

佐々木瑛のブログ@バスケットボール専門SBTスーパーブレイントレーニングメンタルコーチ