#009 藤林空／Sora Fujibayashi

2023年4月10日 16:48

#009 藤林空／Sora Fujibayashi

　京都出身。藤林流「火宮衆」本家後継者の一人。御霊ごりょう高校二年生。
火宮衆頭目・藤林天山てんざんの孫で、式部貴緒しきべたかおの従者として、幼い頃より式部家に仕えて来た。「藤林流」は、伊賀藤林氏の流れを組む伝統的な流派で、他流派と交流をあまり持たず、その独自性を保って来た。しかしながら、古武道・呪術道・忍道・宗教武術などが集まる「伝承異種格闘技大会」などには積極的に参加しており、その実力と名は広く知られるところにある。

　空は幼い頃から父や祖父と共に山で鍛錬を積んだ結果、一般世間には疎いものの、伝統に則った忍へと成長した。性格は生真面目で、やや人見知り。そして天然。素の状態では恥ずかしがり屋な一面もある。「忍」としてのスイッチが入っている状態の時は冷静かつ活動的であるが、普段は大人しく、覇気に欠ける。その二面性に驚く者も多い。そう仕込まれた訳ではないのだが、普段の姿は"世に忍ぶ"姿といえるだろう。

　高校ではあまり目立たず、地味な子だと思われている。現代的な機器をほとんど持っていない為、同級生とコミュニケーションが取りづらく、友達も少ない。帰宅部である為、あまり学校内での交流を持たない。大人しくてやや天然。真面目でそれなりに可愛い。友達という程ではないが、周りはそこそこ世話をやいてくれている。「藤林さんは忍道の家系で、やる時はやる。実は相当な実力者……って噂だけど、どう考えてもそんなことないよねぇ」というのが同級生たちの素直な評価だ。

　環らの所属する「朱月一派」と「火宮衆」では直接の交流はないが、「伝承異種格闘技大会」などで顔を合わせることは稀にある。その際、環は、空の容姿、能力、発育の全てが、自身が描く理想像とぴったり重なることに気付いた。戦闘にも秀でているが、何よりも忍としての能力が高い。
　その時から、環は空を自分の憧れの人として、自分の目標として定めることにした。自分に似たおかっぱ頭の少女が自分を見ていることに気付いた空は、以降環のことを気にかけるようになった。言葉を交わしたことはほとんどないが、たまに再会すると、成長していることを密かに喜んでいる。