信じる勇気、声をあげる勇気

2020年秋。

LGBTQの人権のために
長年戦っている知人たちと
永田町の議員会館へ。

後輩で
学生部・男子部時代に
一緒に戦った、
公明党の国会議員と
バタバタと急に
懇談することが決まり、

議員に説明するための
LGBTQ関連の資料を
急ごしらえして臨んだ。

数日前に首相が行った
同性婚に関する杓子定規な答弁や

札幌地裁の同性婚訴訟の
悲痛深刻極まりない原告の声、
被告である国の倒錯した主張を
説明資料に落とし込む。

直前まで
推敲して、推敲して
睡眠不足と相まって
吐きそうだった。


当時私は大学病院の処方薬を
5種類も服用し、

仕事など、
くれぐれも無理してはいけないと
主治医に言われていた。

でも、この機会を
逃す訳にはいかなかった。

********************
議員との面会の時間が近づく。

後輩と会うの、
何年ぶりだっけ。
LGBTQのこと、
話すの何年ぶりだっけ。

苦楽をともにし、
大学時代、サークルで、
創価の人間主義や
平和・教育・文化・人権の戦い、

途上国で命懸けで戦う
国際NGOの活動や
公民権運動の歴史などを
一緒に勉強したり、

社会人になって、
地域で自他ともの幸福を祈りながら
一緒に戦った時のことを
思い出す。

男子部時代、
物凄く忙しくて大変だったけど、
いま思えば
一緒にファミレスでお茶したり
お気楽だったよな。

重要な政策課題が沢山あるなか
時間割いてもらって
本当にいいのかな。
迷惑じゃないかな。
自分のエゴじゃないかな。

ちゃんと想いが伝わるかな。
声をあげることのできない
切実な人の声を
ちゃんと届けることができるかな。

みんなの願いと違って
我見を撒き散らして
ミスリードしないかな。


でも黙ってたら伝わらない。

会う・会わないは
議員が決めること。

優先順位をつけて
今この時に
この政策課題について
時間を割く・割かないは
議員が決めること。

そのうえで会うと
議員が判断したのだから
祈って、精一杯準備して
語り抜くだけ。

********************

会合で行う体験発表の原稿を
事前に何度も読んで
練習するように、

プレゼンで使う資料や読み原稿を
声に出して読んで練習してたら
涙が溢れ出てしまった。

ああ、これは本番、
泣いてしまうかもしれない。


一緒に議員会館を訪問する、
ロビー活動を長く続けてきた人に
そのことを告げると

「泣いていいよ。自分も何度も泣いたことがある」

かつては一緒につるんでいた
同志なのに、
緊張した面持ちで
議員会館を訪ねると

後輩は生命力が横溢した
朗らかな表情で
私達を暖かく迎えてくれた。

先程まで別のLGBTQの方と
懇談していたのこと。

和やかな雰囲気。

苦楽を分かち合い、
沢山世話になり
何度も助けてくれた後輩。

きっと資料や原稿を
準備していなかったら、
後輩に気を遣って、遠慮して
要望や義憤をありのまま伝えることは
できなかったに違いない。

資料と、読み原稿を議員にも渡し
声を張って読み上げる。

・同性婚の法制化を実現してほしい。

・与党案の理解増進法案だけでなく、野党の差別解消法案も成立させてほしい。
などなど。

少数与党の苦しい立場を考えれば
無理な要望ばかり。

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「どうか、札幌地裁の同性婚訴訟の当事者の声に全議員が耳を傾けてください」

「どうか、一部の議員ではなく、公明党全体として同性婚や LGBTQ への権利付与に賛成してください」


「2019年の公明党のマニフェストには、同性婚の法制化について記載がありません。

これは同性パートナーシップ制度導入のために、死力を注いで奮闘されてきた、公明党の全国の地方議員の至誠を踏みにじる行為です。

次回のマニフェストには同性婚の法制化を必ず明記してください。」

と読み上げたあたりで、

込み上げてきて、
嗚咽しそうになったが、

師匠の顔を思い浮かべて、
こらえて最後まで読み上げた。


臨時国会中で
多忙であるにもかかわらず、
ありがたいことに
結局19時から21時半まで
懇談してくれ、
誠心誠意対応してくれた。

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嗚咽しそうになるくらい
いまだに私が
深い命の傷を負っていることを
後輩が教えてくれた。

後輩が
権力の魔性と戦う
破邪顕正の精神を教えてくれた。

学生部時代に、
師匠が後継の弟子に託された5つの指針

「21世紀の平和思想の指導者に」
「21世紀の人権を守る闘士に」
「民衆と共に、知性と正義の灯台に」
「語学を修練し、世界100ヵ国の青年・学生と交流・親善を」
「世界1000大学の学生の学術・文化の連帯」

に立ち返り、

世界青年学会開幕の年を
断固戦い抜いて参りたい。 
 
 
 
 

いま、このとき
立正安世界のために戦う
世界192ヵ国の
全世界の同志に感謝を込めて

2024年3月29日記す



【補注】
公明党には「同性婚検討ワーキングチーム」(国重徹衆議院議員が座長)があり、当事者へのヒアリング、意見交換を重ねてきた。

公明党公式ホームページによると、2024/3/22、公明党の谷合正明参院幹事長は22日、同性婚の法制化をめざす公益社団法人「Marriage For All Japan」が衆院第1議員会館で開いた集会に出席。

直近の司法判断や世論の動向を念頭に、立法府として法整備に向けた議論を行う段階にきているとの見解を述べ「婚姻の平等を実現できるよう取り組む」と語った。

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