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肩関節周囲炎における運動初期の肩甲骨のエラーは何が問題か?

リハ塾の松井です!

僕の務める病院では、よく肩関節周囲炎の方のリハビリが処方されます。

腕が挙がらない、動かすと痛いという訴えが多いと思いますが、屈曲に対して肩甲骨を外転・上方回旋・後傾させようと徒手的に誘導したり、他動的に可動域を出したりしてみるけど、どれだけやってもあんまり変わらない…なんてこともざらにありますよね。

代償動作として、早期から肩甲骨が挙上してしまい、上手く誘導できないという悩みも多いと思います。
僕はめちゃくちゃ悩みました。

今日はそんな肩甲骨運動が早期に出現してしまうのは何故か?何が悪いのか?じゃあどうしたら良いのか?という点を深掘りしていきます。



肩関節周囲炎の病態理解

まず、肩関節周囲炎における基本的な病態の理解をしておきましょう。

関節造影による所見では、関節包・肩峰下滑液包容積の縮小や閉塞が認められます。

関節包や滑液包の容積が縮小すると、関節内圧が上昇し関節内のメカノレセプターが過度に伸張され、それが刺激となって安静時痛や夜間痛を引き起こす場合があります。

関節鏡所見では、関節唇・上腕二頭筋腱長頭付着部の充血、肩甲上腕関節内の滑膜の発赤・易出血性が認められます。

充血や発赤が認められるということは、炎症が起こっている、あるいは起こりやすい状態になっているということで、それもまた疼痛を引き起こす原因になっていると考えられるでしょう。

まとめると、

・関節内圧の上昇→安静時、夜間痛を起こしやすい
・充血、発赤、易出血性→炎症が起きているor起こりやすい

肩関節周囲炎という名の通り、肩関節が炎症しているという状態で痛みを伴いやすいのが肩関節周囲炎と理解しましょう。

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