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イチナナ物語③

①②から読んでおくんなせい

私は約1年経ったある日。ふと配信ボタンを押していた。あんなに盛大に卒業式をしてもらったので今更どの面さげて配信していいのか分からず、暗闇で配信していた。某大型商業施設ののど自慢大会のステージで歌うことになった!歌の練習がしたい!と言う理由を付けて配信ボタンを押したとリスナーさん達に言っていたと思う。

だけどリスナーさんは思ってたのとは違うコメントでおかえりと言ってくれた。

泣きそうになるほど嬉しかったのを覚えている。

暗闇で配信してよかった。

多分姿を画面に映していたら泣いてただろうな。

プロフィール画面を見るとまだ黒のチェックが付いている。担当さんに辞めると言って配信を辞めたけど残しててくれたんだ。居場所を残してくれてありがとうって思った。

そして更に嬉しかったのは、"配信に戻って来て"のコメント。私の推しマークを変わらずにIDに付けてくれていたリスナーさん。よし!ひかり🐰🎀はイチナナに戻ろう!!!そう決意した。

決意したのはいいけど…具体的に何をすればいいのか分からない。前みたいな配信は死んでも嫌だった。じゃあどうすれば…私は脳みそをフル回転して考えた。

そして配信でリスナーさんに向かって真剣な顔で話をした。

「私は戻ると決めたからには今度こそトップライバーになりたい。今までの生ぬるい気持ちで配信を復活したくない。だから応援お願いします」

…そう私に足りなかったのは覚悟。それと自分の気持ちを伝える勇気だった。なんだ簡単な事じゃん。簡単な事だけどそれが難しかったりする。みんな分かって貰えるのか。ちゃんと伝わるのか…。と少し怖かった。

今まではライバーだったけどライバーじゃなかったと思う。子供が…家の事が…私は配信時間少ないし…いつの間にかそんな理由を付けて自分の逃げ道を作ってたんだ。そう思ってる時点で、私の黒の公式のチェックは飾りみたいなもんだ。だけどここからようやく気持ちを入れ替えて配信しようと決意したんだ。公式の黒チェックの重み。ライバーとしての自分の夢を叶えるための覚悟。

私の言葉にリスナーさんに、どのくらい伝わったか分からない。だけど変わらずに応援してくれると言ってくれた。それだけでも出戻り女にとっては有難い。

そしてこれからどんどん私の配信は変わっていくのですが、これはまた次の話で…乞うご期待❤

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