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小さな四季を庭で感じて、部屋に飾って

季節は淡い桜の頃から、今は遅咲きの濃いピンク色の桜が散りゆき…。

5月の初めの頃までは、ようやく咲いた桜の花びらを散らすような強い風の時期が続いていましたが、白と灰色が混ざった雲が現れるようになりました。
ふっと風が弱まり、少し湿った空気を最近感じる。
雨の季節に近づいたかな。
梅雨のような天気が続けば憂鬱になるのに、なぜかこの湿度と曇り空に嬉しい自分がいることがちょっぴり不思議。

雪が溶け、枯れた色した庭にも、気が付けばホワイトクローバーが生え、あっというまに草むしりしなきゃね…なんて言うほど相変わらずニョキニョキと育つ草たちとの戦いの時期が始まろうとしています。
人工芝ではなく、こんなにも伸びると知らずクローバーを選んだのは我が家です。

小さな庭だけれど、四季の移り変わりを感じられるような庭にしたいと思っていました。
かと言って、上手に植物を育てる知識はありません。

私の実家の庭の話。
幼い頃は花水木や躑躅、百日紅や無花果、モッコウバラに金木犀といった花の咲く木がありました。周りの環境の変化で段々と減らしていきましたが、今もこじんまりと、四季の花の咲く木や草花が育っています。

独身時代に一人暮らしを始めた頃、母が時々届けてくれたのが庭の花でした。
中には育てていないだろう、勝手に生えてきた野の花が混ざっていました。それは花器に生けるととても愛らしく、いまも北海道の我が家への荷物に丁寧に包まれて入ってくると、「まただ〜」なんて思いながらも当時を思い出しながら飾っています。

まだ庭が雪で覆われている頃、実家の庭がから届いた
スノーフレークと水仙とムスカリ

北海道の冬の庭は、雪で覆われてしまうので関東のように花を咲かせることはもちろんできないのですが、「春から秋にかけて庭で育てた花をちょこんと花器に生けて飾れたらいいな。
それも、野に咲く花のような小さな草花を…。」

と強く思ったのは昨年の春のこと。

ニョキニョキと生え、ひょっこり咲いたホワイトクローバーの花とホームセンターで購入したビオラ、種を撒いて育ったストロベリーフィールドに似た花(ミックスワイルドフラワーという数種類の種が混ざったものが売られていました)、それに勝手に生えてきてくれるハコベや胡瓜草、酢漿草を摘んで飾りました。

デジタルカメラとフィルムカメラで記録しているので、少しご紹介させてください。

霞んで写っているのはガチャガチャで出たマイキーたち

薄い水色をした小さな花はキュウリグサ。
勿忘草に少し似ています。
勿忘草と同じ、「ムラサキ科」の花。葉を揉むとキュウリのような香りがします。
スギナだとか、ハコベだとか、スベリヒユは自然に出てきて、元気に育っているのに、他所の庭でよく見かける胡瓜草はなぜか我が家の庭に生えてきてくれないので、飾ったのは、道端の草むらで見かけたもの。
「花盗人は風流のうち」なんて言葉が頭に浮かびます。

グランドカバーに最適というヒメイワダレソウ。
苗をいくつかポットで購入し、植えてみたのですがホワイトクローバーの勢いが良過ぎて最初はよく見てみないと分からないくらい。
それでも増え始めると大変なことになるのでこれまた草むしりです。
ピンクの小さな丸い花が咲き始めると控えめな存在感が可愛らしく、草むしりの最中に救出してジャムの空き瓶にちょこんと飾りました。

実は自然に生えてきた小さな草花で既に十分素敵で、私好みだったりします。

そして今年の春はというと…。

4月の下旬

紫色のムスカリの中に白いムスカリが一輪

昨年部屋の中で水栽培をしたけれど、咲かなかったムスカリは秋に土に埋めておいたらクローバーの間から顔を出しました。一昨年の冬、ホームセンターで可愛らしい小さな花が咲いている梅の木を見つけ、地植えにしたのも、一輪開きました。なぜかたった一輪。

街には桜の開花宣言。


5月初め

やっと見つけた、蕾の水仙

秋に球根を植えたチューリップが咲いたものの、水仙が見当たらず、諦めていたらクローバーに埋もれて気づかなかっただけ。笑
山に住む親戚の庭からお裾分けしてもらったオダマキはぐんぐんと伸びて蕾をつけます。

街の桜は見頃でGWは賑わっていました。

5月半ば

オダマキ開花。
なんとキュウリグサが庭の隅っこに咲き始める!
酢漿草の黄色い花と胡瓜草の淡い水色は本当にお似合い。
生え過ぎたクローバーを横目に、庭にできた癒しの一角がとても嬉しい。

そうです。
憧れていた、順々に花の咲く庭が、なんとなくできていました。
実家の庭から届いたムスカリと水仙が、我が家の庭にも咲きました。
しかしまだ沢山咲いた訳ではないし、いざ咲くと摘むのがもったいなくなるという…。
今年は庭で咲いている姿を日々眺めています。

ここから先はというと、夏に向けてはまだ何もしていなかったのですが、やっと今日矢車草の種を蒔いてみました。
ちょっと遅いでしょうか。いや種蒔きの時期が3月〜5月の適温が20度くらいと書いてあるので、育ってくれるでしょうか。

因みに昨年はビオラをプランターに植えたら、見事にダンゴムシたちに食べられてしまったので、懲り懲りなのです。笑

冬の間に部屋で過ごさせていた紫陽花の小さな鉢植えは、先日外に出したらツヤツヤした黄緑色の葉っぱが数枚出てきました。
部屋の中で息も絶え絶えだったのに…。
やっぱり空の下で過ごすのが1番なのですね。

あとは、庭のシンボルツリーの葉と木漏れ日が揺れるのを部屋の窓越しに眺めることができれば十分かな。

春から夏にかけては緑、秋には紅葉して、その時その時で変化するキラキラした木漏れ日と影の位置にもまた四季の移り変わりを感じます。
いまは庭に落ちる木漏れ日が、少し季節が進むと部屋の窓辺に入ってきたり。

短いけれど、それなりに暑い北海道の夏がやってきます。
日当たりの良すぎる庭なので、自然な姿を楽しもうと思います。

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