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ブライダルカメラマンになりたい人のための基本知識・婚礼写真業態のオーバービュー

こんにちは、ラボ光と糸のkeitaroです。

「ブライダルカメラマンになりたい!」そんな思いを持っている人でも、カメラの知識が必要なことはわかっても、ブライダルフォトの業務内容についてはぼんやりと「結婚式の写真を撮る」というくらいのイメージだけで具体的なことって今一つわからない人が多いんじゃないかなと。

ということで、10年近くブライダルフォトの業界にいて、撮影はもちろんマネジメントや営業や採用等も担当させていただいていた立場からブライダルフォトの業務の基礎の基礎をまとめてみようと思います。


【1:撮影分野について】

まずはひとくちに「ブライダルカメラマン」と言っても、大きく分けて4つの撮影ジャンルがあります。
1:婚礼スナップ撮影
→まず結婚式の撮影として思い浮かぶのがこちらですね。1日新郎新婦様につきっきりで挙式〜披露宴のスナップ写真の撮影をするという形。式場ではスナップアルバムという商品で撮影料金とアルバム料金がセットになったプランで販売されていることが多いです。フリーランスのブライダルカメラマンの主戦場はここかな。
2:型物(フォーマル)撮影
→「ザ・結婚式写真」みたいなものです。お二人の2ショット+親族集合写真をスタジオ(やライティングを組んだチャペルなど)で撮影、六切り写真を台紙に貼った形で仕上げるもの。上記スナップとは別商品となっていることが多く、婚礼の見積もりでは「スナップアルバム〇〇円/フォーマル撮影〇〇円」という形がスタンダードかな。写真室や写真会社の内部スタッフ(いわゆる「社カメ(=社員カメラマン)」が撮影するケースが多い気がします。
3:前撮り(orロケーション)撮影
→結婚式の当日とは別日に会場や他のロケーションで写真撮影だけを行うことを「前撮り(後撮り)」と言います。結婚式当日に写真撮影の時間が無いために前撮りをするケースや、当日とは別の衣装で撮影をするケース等さまざま。会場的には土日は婚礼で回すので平日で行われることがほとんどです。モデル撮影のスキルが要求されるため、カメラマンの腕によってあがりにばらつきが生じるというところも。腕の見せ所ですね。
4:広告撮影
→上記スナップ・型物・前撮りは新郎新婦がお客様となりますが、会場からの依頼でゼクシィや会場ホームページなどの広告に使う写真撮影が発生することもあります。会場(バンケット)撮影や料理撮影やモデル撮影など。どちらかというとスナップに入っているブライダルカメラマンというよりは広告媒体と結びつきの強い広告系のカメラマンに依頼がいくことが多いですが、単価が比較的高い傾向があるため広告撮影も撮れるようになるとブライダルカメラマンとしてはかなり強いんじゃないかなと。肌感覚ですが、広告撮影までできるブライダルカメラマンって20人に1人くらいなんじゃないかなと思います。

【2:撮影業務の受託形態について】

ブライダル撮影をお客様から受注するにあたり、その撮影業務を請け負うのは誰かというところでは入口が2種類。
1:会場と運営母体が同じ写真室
→婚礼式場の組織の中に「写真課」みたいな形の部署がある形です。「内製している」なんて言い方で言われることが多いかな。
2:会場と提携している外部写真業者
→会場と提携している写真業者が撮影業務(とアルバム制作)を請け負っている形ですね。
「写真室」とうたっていても、実際は外部の業者が運営しているというケースも非常に多いです。内製化している式場よりもおそらく外部提携業者が写真室を運営しているケースの方が一般的には多いんじゃないかと。

新郎新婦からみたら別にどっちでもいいところではありますが、複数の写真業者と提携していて、「どちらの写真の会社にしますか?」と選んでいただくケースも非常に多いです。一社だけの場合は一般的に「独占契約」と言われたり。

いずれのケースにせよ、実際の撮影の部分はフリーのカメラマンさんに委託することが多いため、これからブライダルカメラマンになろうとする方の初手としては「まずどうやってブライダル写真の会社とつながるか」というところになると思います。そのあたりはまた別記事で。

【3:カメラマンの雇用形態について】

上記の通り、式場が内製化している写真室の場合も、外部委託している写真質の場合も、スナップだけ提携して常駐していない写真業者の場合も、実際の撮影にあたるのはフリーランスのカメラマンが多数というケースも多いです。写真会社が社員として抱えている「社カメ(=社員カメラマン)」が撮影しているケースもありますが、婚礼の件数が多いところほどフリーランスさんに委託していることが多いです。実際のところ、アルバイトに撮影させるというところは最近はあまりないんじゃないかな、、、というか、アルバイトで撮影するくらいならフリーランスになったほうが稼げます。笑
ということで、ブライダルカメラマンとしては、
1:社員カメラマン(社カメ)として採用してもらう
2:フリーランスとして契約する

というのが王道の道筋。
社員カメラマンになると、カメラマンのアサインや制作業務の管理等、カメラマン以外の業務も求められることが多いため、純粋に「ウェディングフォトを仕事にしたい!」という人は、大筋では「スナップ撮影」を主戦場に、フリーランスとして会場の写真室or写真撮影会社と契約という形が多いんじゃないかなと。

また、個人で事務所を構えて新郎新婦様から直請けで会場に持ち込みでスナップ撮影に入るという活動をされている方もいらっしゃいますが、個人で集客力がない限りなかなか初手としてはしんどいんじゃないかと思います。新郎新婦様サイドから見ても、持ち込みカメラマンの場合は持ち込み料金がかかるし、会場とカメラマンの連携の部分も自分たちでやらなければならないため、よっぽどのこだわりがないとそこまでしないケースがほとんど。
これも個人の肌感覚ですが、インスタグラム等でフォロワー1万人規模の集客力がない限り、写真撮影会社との契約なしにブライダルフォトグラファーとしてお金を安定的に稼いでいくのは難しいんじゃないかと思います。

と、長くなりましたが上記、ブライダルフォトにまつわる業態オーバービューでした。業界内にいると当たり前ですが、外から見るときっとあんまり知る機会もないだろうなーということで!

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