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やさしい時間を過ごして、悲しみが過ぎ去るのを待つ

気分が落ち込み、何をしても悲しみに覆われてしまう時がある。一か月ほど前もそうだった。

ちいさな不具合が積み重なり、イライラや疲れがすべて悲しみに変わっていく。すぐに応急処置できたらよかったけれど、やることが次々とやってきてそんな余裕もなかった。

胃の調子が悪い。
口内炎がずっと痛い。
仕事で予想外のトラブル。
何気ないひと言に傷つく。
雨や曇りの日が続いて、日光を浴びていない。

こんな時は、何をしてもだめだ。
いつもなら美味しいものを食べて、しっかり睡眠をとればすぐ元気になるけれど、今は何をしても元気が出ない。

ついついソファに横になりながら、だらだらスマホを見てしまいそうになるけれど、それがあまり良くないことは何となく分かっている。

こういう時は自分にやさしい時間を過ごして、悲しみが過ぎるのを待つのがいい。何をしてもすぐ元気が戻ってくることはないから、少しつらい日々が続くけれど、自分へ贈ったやさしい時間はあとからじわじわ効いてくる。

ようやく仕事がひと段落した金曜日、早めに仕事を切り上げて、好きなカフェへ向かった。


デザートを食べながら、ゆっくり読書をした。デザートは美味しかったし、本も面白かったけれど、気分は晴れなかった。

まだまだ時間がかかるなと思った。土日のあいだは無理せずに、心地よいと感じることをして過ごした。

好きな写真集をぼーっと眺めたり。

行きたい場所について想いを巡らせたり。

どうぶつと触れ合ったり、

体にやさしい、栄養のあるご飯を食べたり、

入浴剤を入れたお風呂にゆっくりつかって、体を温めたり。


何をしてもすぐに元気は出ないけれど、やさしい時間を自分に贈る。この悲しみをわかってあげられるのは、自分しかいないから。

無理をしないでできるだけ休み、気持ちに蓋をせずに受け止める。

そうしているうちに、気づいたら悲しみは過ぎ去っていた。公園の桜は満開を迎えていた。桜を綺麗と思える余裕が戻ってきた。

もう大丈夫だ。いつもの日常へ戻ろう。


自分を労わるやさしい時間は、すぐには効果を発揮しなくても、じわじわと数日後の自分を助けてくれる。好きなことや心地よいことは、私を救ってくれる。それらを一つ一つ、自分に贈る。

悲しくてつらくてどうしようもないとき。

生きていたら幾度となく訪れる、そんな時間にそっと寄り添えるものを届けたくて、私はいつでも目に入るアートを作っているのかもしれない。

自分を癒す術は、たくさんあるといい。だからこれからも一つ一つ、好きなもの、心地よいことを集めていこう。

日々集めたやさしい時間が、沈んでいる心をきっと掬い上げてくれるはずだから。


◇◇◇

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