見出し画像

ペースを乱されるということ

10日ほど実母が滞在していた。

夫不在の1年間も折り返したいま、できれば息抜きが欲しい時期だったので、「普段できないことができる!」と期待して迎えた母。

ところが当初から母の体調は万全ではなかった。

この時点で「あれ、なんで来たの?手伝ってくれるのでは?」とイライラしてしまった36歳娘。

数日して、体調が回復した母を前に切り出した。

「夜、この用事で出かけていい?」

返ってきたのは、「無理だろうなあ」という一言とニコニコ笑顔。

ニコニコ...?

私、少し自由になれるのではなかったの?無理なら無理でいいけれど、少しは悪びれて欲しかった。

ここで爆発してしまい、怒りをぶつけてしまった。

大人だったのは息子だった。

「ばばとかかが喧嘩してると恥ずかしい」

息子にそう言われてしまったなら仕方ない。向き合わないと。
期待していたこと、それを汲んでもらいきれていなかったこと、悲しかったこと、母に伝えた。

母からも「悪かった」という言葉をもらい、それからのコミュニケーションは比較的円滑に進んだ。

そもそも私は、高校卒業後いまに至るまで親と離れて暮らしているので、生活のペースは全然違うものになってしまった。

生活も、価値観も、だいぶ違う。

だから衝突して当たり前なのだと、母が帰る今日になって整理ができた。

出社前、母に「おかまいもできずごめんね。助かりました、ありがとう」と伝えられたのがこの10日間で唯一ホッとした瞬間。

母が来なければ、忙しい日々の中で築き上げた自分のペースが崩れることはなかった。

でも、母が帰るのはすごく寂しくて、いまも涙が出そう。

あと何回会えるかわからない母なのに、なんでこんなに冷たく当たっちゃうんだろう。また涙が出そう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?