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明日へゆけ


朝夕は随分と過ごしやすくなった。
クーラー無しで眠れる夜がちょこちょこ出てきて嬉しい。


先月、祖母の施設への入所が決まり5年程続いた同居生活を終えた。
以前からデイサービスやショートステイを利用していたけれど、今年に入り自宅での移動や体調管理がかなり難しくなったからだ。
入所して間もない頃、これで良かったのか、もっと出来た事があったんじゃないか。寂しいと母はぽろぽろ泣いた。

祖父が亡くなって始まった祖母との暮らし。
わからない事が増えていく中で祖母は頑張ってくれていたと思う。
祖母は可愛い。寝る前は目を弧にして笑う。
野菜が嫌いで甘い物が好き。昔は沢山食べていた野菜、何故か急に嫌いになってしまって自分のお盆から遠くに押しやり何も無かった事にしてしまう。最後の方は介助なしで食事をする事も少なくなっていたけれど、ショートケーキやプリンは美味しいと進んで自ら食べてくれた。買って帰ったものが祖母の口にヒットすると嬉しかった。
子供に還っていくようで、家族に問題が起きた時に核心を突くような事を言って私達を驚かせた。

施設のスタッフさんは心ある方達ばかりなので安心している。
時勢柄制限はあるけれど面会も出来て今週末も祖母に会える。何を話そう、笑顔が見たいな。


父方の祖父母は既に他界していて父にとっては義母との同居だったんだけど、この五年で父の母への愛情の深さを改めて知った(もちろん大前提として祖母への愛情もある)。
父が元々愛情深い人なのは知っていたけど別に聖人君子ではないから不機嫌にもなるし怒ると長かったりする。
でもこの同居中に起こった様々な出来事に父は嫌悪感を欠片も見せることがなく。そもそもそういったものを持ち合わせていなかったのかも。
思い出を作ろうと率先して旅行や外食に連れ出し母と祖母が喜べば父も喜び、問題があると対策を真摯に考えたり。
母をその先の人や物事を含めてもうほんとに丸ごと大切にしているんだなと思った。
尊敬している、本人には言わないけどね。

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