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yokoichi
光りなさい
光りなさいと星のマークをつけられる 赤松ますみ(『現代女流川柳鑑賞事典』)
「星の王子さまってなんでわざわざこの地球を選んでやって来たんだっけ」って時々人に聞いてみる。「この宇宙にはこんなにたくさんの星があるのに」
「好きだったんじゃないかな、地球が」
「遠くから凄く光ってたんじゃない、ここが」
「もともと地球にいたのに頭を打ってそのとき外から来た王子さまになったんじゃない」
いろんな答えをみんながしてくれるけれど、正解はわからない。
でももしかしたらこの星には無数のルートがあっていろんな星の王子さまが毎日降り立っている。私もあなたもまだそれを知らないだけで、もう会う人は会っていて、こう言われてる。「ねえ、羊の絵を描いてよ」
私は咳をするみたいに、この星にいつからかいて、いつか去ることも決まってる。私は、いつかいなくなる。
星の王子さまはどうしてこの地球を選んだんだろう、という問いかけにこんな答え方をした人がいた。
「たまたまこの地球に来たんだよ。それだけだよ。たまたま着いたところが美しかった。あまりにきれいで泣きそうになった。ほんとうきれいだった。ぜんぶその日のうちにたまたま起こった。きっとそれだけだよ」
その人はそう言うと「じゃあね。でもまたあした」と言って車に乗って帰って行った。
その日は違う駅で降りて歩いて帰った。
そうかもね。
私も、たまたま、この星にいる。
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