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地の果てのふわふわ

アルパカのふわふわ地の果てのふわふわ  赤松ますみ(『川柳作家ベストコレクション赤松ますみ』)

地の果てのふわふわ、っていいよなあと思う。好きなものととっさに聞かれたときに、地の果てのふわふわです、と答えられたらいいのに、とか思う。

それはただのふわふわではないんです、地の果てにあるものなんです、だから私も実際見たことはないんだけれど、多くの人によってそれはふわふわしたものだと語り伝えられて来ました。だから私もそれがふわふわしたものだと信じているし、いつかきちんと自分のこの眼でそのふわふわを確かめるつもりです。

「そうですか」

ふわふわを中心に人が集まってくる。ふわふわ同盟と言ったような感じで。ふわふわした感じでしか集まれないので、誰がこの同盟を率いているのか、そもそもどれくらい集まっているのかもわからない。春ですねえ、そうですねえ、とふわふわした会話が続く。
みんなたくさんの悲しみを経験してきたけれど、今晩だけはふわふわの会合が続く。

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