ぢーっと待っている
ぢーっと待っているとちょろちょろと出る いわさき楊子(『川柳裸木4』)
なにかを待っているとき、この句のことを思い出す。待ってないときもこの句のことを思い出す。
私にもいつか待っていたときがちゃんとあったんだよねということを、思い出すために思い出す。
どんな姿勢で待ったらいいんですか、と聞かれたことがあって私は、ちょろちょろでいいんじゃないですかね、と答えたことがある。
家に帰ってから、あっ、ぢーっ、が正解だった、いつも大事なところで大事なことを大事な感じで間違える、と思ったが、でもあながちそれは間違いでもないような気がした。窓を開けた。ちょろちょろ待てばいい、とも思った。風が吹いて来る。もちろんそのとき希望はぢーっとしている。やって来る。
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