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モテるわ〜

モテるわ〜〜


蚊に。


… … …


11月も後半。
風が涼しいと思ったのも一瞬。すっかり身を縮めるような寒さになってしまった。

それでも部屋の換気はした方が気持ちいいので、その日は雨ということもあり少〜〜しだけ窓を開けて昼寝をしていた。

そして数時間の昼寝から覚めた時

「…ん?なんか痒い」

反射的に痒みを感じる部分をぽりぽり掻いていたが、寝ぼけながらなのでその時はあまり違和感を感じなかった。

しかし、夜になって再び寝る体勢に入っていると

プゥウウウウウン

耳元を通り過ぎる、少し前によく聴き慣れた羽音。

間違いない。奴だ。

消していた部屋の明かりをすぐさま点け、臨戦体勢に入る。
目を凝らしながら辺りを見回していると、確かに奴の飛んでいる姿を捉えた。

パチィン!!

…音こそ爽快に響いたが、なかなか仕留めることができない。


そんなに血が吸いたいか、蚊よ。

「生活がありますから。」

そ、そうか…。


2,3分格闘が続いた頃、あるものがふと目についた。

ベ、●ープマット…!

現行のものは電池式らしい。夏の間大変お世話になったが、寒くなってきた今ではもう使うことはしばらく無いだろうと思い、常用していた時の位置から避けて置いていた。

その手があったか。

部屋の明かりを再び消し、ベー●マットの電源を点け再び寝床に入る。

すると再び奴の羽音がすることも、翌朝痒みを感じることもなかったのだった。

斯くして、文明の利器によって勝利を収めた今回の戦い。
再び相見えるのはいつになるのか。


いや、会わなくていいです…。


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