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LAPHROAIG10年

はじめて香りを嗅いだ時、


「…!?消毒液じゃん!」


これが最初の感想。

もう30歳もとっくに越えたが、お酒を嗜むのは好きでもウイスキーの世界にハマることは無いなと半ば確信めいたものだった。

しかし…

罰ゲーム?いやいや、酒屋を探し回りました。
といってもこちらの10年はスタンダードで比較的入手しやすい方。ただ価格は以前よりも上がっているようだ。


さて、何でこんな事になったかと言うと

身近にこのラフロイグが大好きな方が居り、香りが漂ってくる機会がそこそこ。
自分でもびっくりだが、いつしかその香りがクセになり、自分から香りだけ嗅ぐようになっていった。

最近はカクテルのほかウイスキーに特化した動画も見るようになり、比較的手を出しやすい価格帯のものを買っては夜な夜な試飲していた。
そんな流れから、同じウイスキーという大きな括りの中でも一際異彩(異臭?)を放つラフロイグを飲みたいという、一種の怖いもの見たさもあって日に日に興味がそそられていった。

そして…


ようやく飲めるぞー!

ということでストレートで。
最近までトワイスアップも言葉しか知らなかった小僧が加水用ピッチャーまで準備してしまっている。

まずは香り。
あくまで今まで飲んでいた比較的安価なウイスキーと比べてだが、まずツンとくるアルコール臭をほとんど感じない。
そして誰もが感じるであろうこのスモーキーな香り。一番最初に感じた「消毒液じゃん!」の香りはこの煙たい香りのことだったのだろう。
そのほか、凝縮されたフルーティーな香りが密度の高い状態のまま届く。これはグラスのせいもあるかも。

いざストレートで。
刺すようなアルコール感は驚くほど無く、舌に広げた瞬間それまで嗅いでいた香りがさらに開くように広がる。
自分でも笑ってしまうが、鼻を抜けたあとまた吸い戻したくなるような贅沢な香り。
チェイサーは水を用意したが、白湯ならもっと余韻を楽しめそうとも思った。

その後若干加水するとアルコール感は更に無くなり、上述した香りだけを存分に楽しめる。
ストレートで飲む時にいつも感じるのだが、本当に少量の水で味わいが全然違ってくるのでウイスキーは面白い。


"飲んでしまった。"
そう表現しても良いくらい、その面白さと興味深さとは裏腹にウイスキーは沼だ。

ただ、味に"集中する"という点に関しては、現代でマインドフルになれる数少ない機会なのかもしれない。一人でゆっくりウイスキーを噛み締める時間は一種の瞑想だ。

そのほか「飲みすぎない」という点にも繋がるかなと個人的には思う。

お酒の強さは人それぞれだが、9度のハイボールをがぶがぶ飲むのと、40度のウイスキーでもチェイサーを挟みながらちびちび飲むのとではペースも総アルコール摂取量も最終的には違ってくる。

お酒の飲み方にバリエーションを持っておくと、それだけ楽しみ方も広がるのではないかと思っている。


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