SKY BLUE 〜2〜
たっ···たっ···たっ···たっ
マーチンが重く感じる。
速く走りたいのに。
あっ!終電が行っちゃう!
プシュー···ガチャッ
「はぁ···はぁ···はぁ···はぁ···っ」
間に合った。
人もまばらな電車の座席に座る。
髪、乱れたかな。あ、リップぐらい塗っとこう。
「郁巳」
青い目の私を呼ぶ声が耳の奥に残っている。
私はしばらく窓に写る自分の顔を眺めていた。
〜🎵〜🎵〜🎵
青い目!?スマートフォンが鳴った。
「もしもし!!」
「郁巳!?サイテーだよ〜!聞いて!?」
「あ···」
神奈だった。
「ごめん!神奈!後で!」
「郁巳!?ちょっと、どうした···」
プッ
神奈、ごめん!今、青い目以外と話したくないの。今度話を聞くから。今はごめん!!
声にならない言葉を心の中で反芻しながら、
認めた。
私、青い目が好きだ。
今日、会ったばっかなのに。
電話でちょっと話しただけなのに。
青い目を思い出す。
あの、空みたいな目。
思い出そうとしなくても、私の頭と心に映り込む。
「〜八王子〜八王」
あ!降りなきゃ!
急いで髪を整え、窓に向かってスマイルした。
うん、上等!
私は気張って電車のドアに向かって歩いた。
たっ···たっ···たっ···たっ···
駅を出ると、マーチンも軽く、待ち合わせ場所に走り出した。
時間は···あと10分。
上等!!
たっ···たっ···たっ···たっ···
↬つづく
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