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⦅10⦆『2020.08.05』〜鈴鹿峠〜

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5日目の朝。

テントの格納もかなり慣れてきて、この頃には5分以内で折りたたむことができるようになっていました。

テントの格納は地味に大変で、その日の出発までの一仕事です。

すぐ隣の道の駅で、顔を洗い歯を磨き靴紐を締め直し、いざ出発!

この日は、滋賀県を後に鈴鹿峠を越えて三重県へ突入です。

鈴鹿峠に関しては、地元の豊田市で中学生のときに、一つ上の先輩が自転車で越えようとして、雨に打たれながら進んでたら、死んだおばあちゃんを見た!って言って引き返してきたという、エピソードを聞いて以来、めっちゃおっかない場所として記憶されていたので、この歳になっても若干ビビってました。

道の駅を出発し程なく、ズバっと視界が開けた道に差し掛かり、いよいよ山道という景色が広がりました。

覚悟を決めいざ鈴鹿峠へ。

今までよりも更にきつい登り坂が目の前に続いています。

リヤカーを思いっきり手に食い込ませて、足を踏ん張り前傾姿勢のまま登り坂を進んで行く。

時刻は8時前。

峠を越えるトラックが通り過ぎるたびに風で煽られ粉塵が舞います。

車道に比べて明らかに使われう頻度が少ない歩道には、雑草に覆われて道が塞がり、全く動けなくなる箇所もありました。

リヤカーを手離すこともできないので、草木をかき分けそのまま強引に突き進む。

汗まみれの手や足や顔には蜘蛛の巣が絡まり、気持ち悪い。

何度も振り払いながら、同じテンポでコツコツ進むしかないんです。

1時間ほどその戦いが続いた頃、ようやく『鈴鹿トンネル』の標識が目に入りました。

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ようやく県境です。

徒歩で歩くトンネルはなんだか変な感じです。

不気味で怖いのか、なかなか歩く機会もないところ進む優越感か、その先の景色がどうなっているかというワクワク感か。。

どちらにしても、汗だくで心拍数も上がりっぱなしのままトンネルを通過。

途中追い越されるトラックの風圧に苦戦しながら、気がつけば三重県へ入ることができました。

ここからはようやく下り坂に入ります!

少しは景色を楽しむ余裕が出てきました。

仕舞い込んでいたGoProをセットし、歩く景色を撮影しながら進みます。

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下り道も同じように歩道は雑草が伸び放題。

草木をかき分け、リヤカーが引っ掛かり足止めされながらじわりじわりと進みます。途中、小鹿の亡骸が歩道に横たわっていました。

一瞬ひるみましたが、コレも自然なのかなと思い、雑草の処理ができないほど、こう言ったお仕事も今は自粛なのか、コロナの影響を勝手に感じていました。きっと、作業員の方がいたら、もっと道は整備されていることでしょう。ましてや、8月は山登りやハイキングを楽しむ人たちも多いはず。

一度も誰とも徒歩の人とすれ違うことなく一人。

カーブに差し掛かるたび遠くの景色がきれいで、休憩しながら何度も足を止めました。

GoProも夏空をメインにいい感じに録画できてます!

そのままクネクネと曲がった道を下り続けました。

途中、旧街道との分かれ道を見つけ、旧街道方面へ進むことに。

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東海道だなって感じる道幅に、古い建物が点在する街道を進んでいると、先で井戸端会議をしているお母さんの姿が。

どうやら、玄関先にいる近所のお母さん同士でお話ししているようでした。

リヤカーを引いて差し掛かると、

『そんな格好でどこまで行くのよ!?』と話しかけれました。

事情を説明すると、コロナの影響もあって心配だねって話に。
ぼくは一度きりの人生、こういう時期だからこそ頑張って歩いてみようと思ったよと伝えました。

外で話していたお母さんは、生まれ変わったら男になってバリバリ仕事したいの!って話してくれました。

私が若かった頃は、女性がこんなに活躍する時代がくるなんて思ってなかったし、今の人たちは羨ましいよ!って。

無責任なぼくは、今からでも遅くないからなんか挑戦してよ!って、アンサーを返しておきました笑

でも、本音です。

玄関の中にいたお母さんがお茶のペットボトルを差し入れてくれました。

挨拶をして、引き続き旧東海道を進みます。

続く。。。

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今日は8月13日になりました。
歩き始めて13日が経過したことになります!あっという間だ、、、
でも、今振り返って書いてるのが1週間も前の出来事。。。
溜め過ぎた、というかどんどん出会いが濃くなって、どんどん過酷になってきているように感じる。。ジョイフル磐田豊田店さんの隅っこで、すでに8時間以上、振り返りしてます。

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