【感想】リスアニ!LIVE SHANGHAI (早見沙織)

本稿は2019年12月28日(土)に開催された「リスアニ!LIVE SHANHAI」の早見沙織さんの演奏のレポートになります。

チケットの購入には中国の電話番号が必要となり、日本から参加される方はあまり多くありませんでした。なので、本項で少しでも"生の温度感"を共有出来たらと存じます。

本公演の様子は2020年2月7日(金)21時から動画配信サービス「Paravi」にて独占配信されていました。(現在は配信終了。)

______________________

◾️概要

リスアニ!LIVE SHANGHAI    (公式サイト)
日時
 2019年12月28日(土)18時会場 19時開演
会場
 バンダイナムコ上海文化センタードリームホール
出演者(敬称略) / セットリスト
 Machico
 M1. TOMORROW
 M2. fantastic dreamer
 M3. 1ミリ Symphony
 M4. コレカラ
 Luce Twinkle Wink☆
 M1. go to Romance>>>>>
 M2. Fight on!
 M3. 1st Love Story
 M4. Symphony
 JUNNA
 M01. いけないボーダーライン (ワルキューレのセルフカバー)
 M02. コノユビトマレ
 M03. 紅く、絶望の花。
 M04. Here
 飯田里穂
 M01. いつか世界が変わるまで
 M02. サンデーモーニング
 M03. Change the World
 M04. 僕らのLIVE 君とのLIFE (μ’sのセルフカバー)
 早見沙織
 M01. やさしい希望
 M02. ESCORT
 M03. Statice
 M04. ブルーアワーに祈りを
 M05. Jewelry

01会場

▲会場のバンダイナムコ上海文化センター ドリームホール (※外観撮り忘れた。)
キャパ1,200で1階席はオールスタンディング。
前方はVIPエリアとなっており、VIPエリア入場時に複製サイン入りのTシャツがもらえました。

02プレゼント

▲もらえたTシャツ。サイン無しのものは物販にて販売。物販では他にサイリウムが販売されていました。

______________________

◾️まず全体的な感想

『上海のオタクは熱量が半端ない…!!!!』

・全アーティスト、どの曲も観客のノリが完璧
・オタ芸が盛ん(正直、最初は萎縮しました…)
・何より日本語のMCが見事に通じている

日本のアニメソングは中国でも大人気で
出演者の楽曲を日常的に楽しんでいるのが伝わってきました。

この熱量を浴びているだけで、海を超えて愛されていることに感動できる。そんな空間でした。

そんな熱いライブの"トリ"として、
早見沙織さんの初の海外歌唱が行われました。

______________________

◾️早見さんステージレポ

______________________

M1.やさしい希望

フェスでトリを飾るのは今回が初めて。
これだけで感慨深いのですが、「やさしい希望」のイントロでそれはそれは大きな歓声が沸き上がり、その空気感にさらに感動しました。

そして、それだけ盛り上がりを見せつつも、演奏中は見事に聴き入るという、早見さんの歌声を堪能したい観客の気持ちがよく表れていました。

(...と言いつつ、1サビ前の休符で「イェッタイガー」と意味不明な奇声を発する人がいたり、日本にない愛情表現が観られてそれもそれで楽しかったです。)

曲が終わると次の曲に向けてステージは暗転。しかし、歓声と拍手は止むことを知りません。
暗闇の中でも早見さんが嬉しそうにしている様子が見て取れました。

______________________

M2. ESCORT

2曲目はもはや"代表曲"とも呼ぶべきジャズナンバー「ESCORT」!!!
初海外なのでこの曲は名刺代わりに演奏するだろうと予想していましたが、いざ来ると喜びもひとしおです。

近年、ジャズバーのように椅子に座って歌われることが多かったこの曲ですが、まるでファンの歓声に応えるように、ステージの端まで移動して本当に楽しそうに歌唱されている姿がとても印象的でした。
ジャズの世界観に一人一人包み込んでいくみたいでカッコ良かったです。

終わった後、思わず「ブラボー」と叫んだら周りも続けてブラボーのラッシュ。
会場全体が息を飲む演奏でした。

______________________

MC

演奏が終わると、中国語でご挨拶。
これが一言「ダージャーハオ」というだけではなく、MC尺の半分くらいの文章を中国語で話され、その完璧な発音に会場からは今日一の大歓声が上がりました。

※中国語は「4声」と呼ばれるアクセントの表現が非常に難しく、
日本人の場合、下手に中国語で話すより日本語で話す方が通じるなんてことも…

歓声に応えて中国語でコール&レスポンス! 
流石早見さん。脱帽です。

その後日本語でもご挨拶。

「こんばんは。早見沙織です。」
「今日は私にとって初めての上海、"初めての海外歌唱"です。楽しい時間にしたいと思います。」
「次に歌う曲は最近出たばかりのシングル、無双OROCHI3Ultimateの主題歌となっている曲です。」

MCに合わせて会場はピンク色(=無双OROCHIで早見さんが声優を務めるガイアちゃんのイメージカラー)のサイリウムに染まり
「そう!ガイアちゃん!」と早見さんが喜ぶ一面もありました。

______________________

M3. Statice

最高にかっこいい新曲!ステージ真ん中で力強く歌う圧倒的なパフォーマンスは、観る人を一気に飲み込んでいく。

サビの【明日を超えていく】という歌詞は個人的に前作「JUNCTION」で描かれた"新しい明日を見つける物語"の続きだと思っていて
4月の「JUNCTION」ツアーに励まされた今年、年末にこの曲を生で聴けたのは本当に嬉しかったです。

ラスサビの英語のコーラスが曲中に描かれる戦いの余韻のように響き、それを(CHARACTERSやアニソン!プレミアムと同様に)最後のリピートだけ早見さんが生で歌唱。
まるで歌声によって花々に生命の息吹が吹き込まれていくように感じました。5周年ツアーなどで聴けるのが楽しみです。

______________________

M4. ブルーアワーに祈りを

壮大な余韻の中静かにイントロが流れ、楽曲が始まる。
上海の地でも変わらず圧巻のバラードが会場を優しく包み込みました。

(Aメロで咲クラップをしようとするオタクがいましたが、余りの美しい歌声に段々クラップの音が小さくなっていくという面白い現象も観られました。)

演奏は1年7か月ぶりと久しぶり。
夜明け前の空「ブルーアワー」にまつわる歌詞は年末にぴったりで
新曲「Statice」との世界観の繋がりもあり、最高の選曲だと思いました。
【今はともに / 喜びの朝が来るように / 寄り添おう】
このフレーズは特に言葉を際立たせた歌い方で、戦い続けたこの一年を讃え、次の一年に向けて背中を押してくれるようでした。

近年、同期を使わない生演奏のみのパフォーマンスを主としていた早見さんですが、今回はバックバンド無しの同期のみでの演奏。
そのため最後はrit.(※だんだんゆっくりになる音楽技法)がかからないまま原曲通りにアウトロに入るのですが、アウトロが鳴っても早見さんの伸びやかな声が会場に響き続けていて、神々しさすら感じるエモーショナルな瞬間でした。

______________________

MC

「初めての海外公演で、実は舞台袖でデビューコンベンションライブと同じくらい緊張していました。」
「けれど、こんなにあたたかく迎えていただけて、忘れられない思い出になりました。」

感慨深そうに話すそのMCは本当に素直に出たであろう言葉で
ファンの熱気に呼応して楽しそうに歌われている姿がとにかく印象に残るライブでした。

「次が最後の曲になります。最後は楽しく、カードキャプターさくらクリアカード編のエンディングテーマになっている楽曲をお届けします。」

______________________

M5. Jewelry

最後のこの曲は、もうめちゃくちゃ盛り上がりました(笑)
MCで「CCさくら」の名を出した瞬間から観客のヴォルテージが上がっていて、僕の周りはAメロからガンガンに一緒に歌っていました。(中国の方々が!日本語で!)最高です。

早見さんも再び端まで移動して歌唱し、客席に手を振りながら歌われる姿は、音楽を通して同じ喜びを共有しているみたいでした。

日本で浸透しつつあるサビの頭と「そう」!で手をあげるやつ、結構みんなやってました。
2番サビの「大丈夫」!では振られてもいないのに自然とみんな熱唱

その様子もあってか、ラスサビは「歌えますか?」と言って「大丈夫」のフレーズを観客に歌わせていました。
これがまた大合唱で、とても嬉しそうに「ありがとう!」と返すと
【唱えていつも負けない「キミに」また会えるよね】
という歌詞のプレゼント。

音楽で寄り添い合う、早見さんの歌が本当に大好きだ!と思う瞬間でした。

8月の「リスアニ!LIVE ナツヤスミ」では客振りが無く、原曲通りの歌詞で歌われていて、曲を知らない人への配慮かな…?と思っていたので、
海を超えた上海のフェスでこのやり取りが出来たのは正直とても嬉しかったです。

______________________

◾️早見沙織インタビュータイム

リスアニ!LIVEは毎回演奏後司会が演者にインタビューをするのがお決まりですが
今回はアニメ音楽ライターの澄川龍一さんが登壇され、演奏後にインタビュータイムがありました。

澄川さん「いや〜もう、MCの中国語が素晴らしくて通訳の人も驚いていました。」

早見さん「ありがとうございます。でもずっと練習してました!友達に音声を送ってもらって、それをずっと真似てみたりしてました。」

ここでその練習の様子を軽く実演。
それがまた完璧な発音で観客は大歓声。

澄川さん「さてさて、早見さんが来るならずっと伺いたかったことがあるのですが
(客席に向かって)みなさんが一番好きなキャラはなんですか?」

通訳が訳す間も無く色んなキャラクターの名前が飛び交う。
聞き取るのが到底不可能なほど色んなキャラ名が飛び交う中、一つ一つ聞いて言葉を返すようなそぶりをする早見さん(笑)
(因みに僕は小笠原晴香〜と叫んでました。他に同じキャラ上げられた方いたかな?)

澄川さん「雪乃とかあやせとかパッと聞こえましたが、聞き取り切れないくらい沢山好きなキャラがいるんですね…!
初上海ということですが、上海はどこか観光されましたか?」

早見さん「今日、楽屋入り前にこの辺りを散歩しました。
上海は街並みが本当に好きで、ショッピングモールでパンを買いました。」
澄川さん「2019年を振り返っていかがでしたか?」

早見さん「2019年はとても音楽的に濃い一年でした。
ツアーもありましたし、ライブのDVDも出しましたし(笑)
来年はミニアルバムもツアーもあって、5周年なのでまだまだお知らせできることもあるかもしれません。"今年以上に濃い一年にします。"」

「今年以上に濃い一年」はどこか強調するような言い方で、会場からも期待の声が。

早見さん「そしてまた来年も上海に来たいです。
いや、もう明日ライブをしたいくらいです
(笑)

「また来てね!」という歓声が飛び交う会場。
本当に幸せな余韻の中で早見沙織さんの初海外歌唱は幕を下ろしました。
早見さんが舞台から去る際には観客から「よいお年を」という声が投げかけられ、最後まで愛を感じさせられました。

▲ライブ後の早見さん。衣装は「CHARACTERS」の最初のものと同じ。(白雪っぽくて大好きです。)

______________________

◾️ライブが終わった後は

実はこのイベントには、中国のファン有志一同から、早見さん宛のフラワースタンドが贈られていました。

03フラスタ

過去のライブにも毎回「中国ファン一同」からフラスタが贈られて
中国には熱いファンが沢山いる!というのを知っていたのですが、これまで以上に気合の入ったフラワースタンドでした。


終演後、このフラワースタンドの周りに早見さんのライブグッズを身につけた人たちが集まっていたので、仲良くなりたい!!!と思い、思わず声をかけさせていただきました。
集まっていたその数およそ30名!

そのまま一緒に記念写真を撮影。みんなで打ち上げに行き、火鍋をご馳走になりました。

▲写真はこちら。みんな本当に優しくていい人たち。また会いたい!

『みんな、中国にも熱い早見沙織ファンがたくさんいるぞ!!!』

今や海を越えて愛される日本のアニメーション。卓越した演技力でキャラクターに命を吹き込む声優さんは中国のアニメファンからも特に注目の的で、数多くの作品で活躍される早見さんは大人気なのです。
みんな一人一人早見さんの演じられたキャラクターに勇気をもらい、救われてきていて、そんなエピソードを嬉しそうに語ってくださって胸がいっぱいになりました。

「日本語がわからなくても早見さんの声を聞くだけで癒される。」
という嬉しいお言葉を頂けるほど早見さんを愛していて、アーティストとして活動されていることは本当に喜ばしいことのようです。


一つだけ、ずっと好きだったんだなと感慨深くなった中国ファンの方の言葉をご紹介させていただきます。

「10年前、ゲームラブプラス内で描写されていた早見沙織コンサート。これが今日、現実のものになりました。」


リスアニ!さん、早見沙織さんを上海に連れていってくれて本当にありがとうございました。
そしていつか早見沙織「中国単独公演」が観たいな!!!!!

______________________

◾️最後に

今回も圧倒的な歌声を届けてくれた早見さん。
この歌声は海を超えて愛されていて、海外のファンと最高に多幸感に満ちた時間を共有出来ました。
この念願の瞬間に立ち会えてファンとして本当に幸せです。

そしてこれが僕にとって初めての海外旅行でした。
長くなってしまうので割愛しますが、上記のライブやその後のファンとの触れ合いも含め、自分の"これまでの人生で一番"といっても過言ではないくらい価値観を刺激される経験となりました。

早見さんの音楽がなければ出会えなかったものが今の自分の生活の中に沢山ありますが、今回改めてそれに感謝したいです。海外に行くきっかけをくれてありがとう。
脳にこびりついて離れないであろうライブの幸せとともに、初めての海外で感じたことを自分の日々の生活に持ち帰りたいです。

その時その時の自分に刺さって、これからの自分の道標になってくれるから
毎回1番新しいライブが「1番思い出に残るライブ」になるんだと思う。
そして、これこそ早見沙織さんのライブの最大の魅力かも知れません。

また少し成長した明日、早見さんのライブを観られるのが楽しみです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?