雪像と夢十夜
みなさん、おやっとさあです。
かおりです。
昨日の仏像の話ではありませんが、私はかつて雪像を作ったことがあります。
懐かしい写真が出てきて思い出しました。
雪像って、雪だるまみたいに雪を丸めたり重ねたりして少しずつ作っていくものなのかな〜と思ってたんですけど、違うんです。
まず、大きな雪の立方体、つまり雪の塊を作ります。(重機を使って)
そこから、ヘラみたいな道具などを使って削っていくんです。
まるで彫刻です。
雪像を削る前に、油粘土で雪像のミニチュア版を作ります。
それを現場に持っていって、それを見ながら削っていきます。
この年は、トトロを作りました。
油粘土のトトロはこちら。
これを持って現場で削りにいくのですが、ただ早く作ればいいというわけではなく、雪像公開日を逆算しながら少しずつ作ります。
早く出来上がっても、日差しで雪像が溶けていき、形が変わってしまうからです。
現場での削る作業の時、私はなぜか、夏目漱石の「夢十夜」を思い出していました。
どこで読んだか、高校の授業だったか。
運慶のお話がとても印象に残っています。
そうか、木の中に“在る“像を、ただ掘り出しているだけなのか。
彫刻の天才にはそう見えているものなのかと思いました。
運慶を想いながら削ってみるも、私はけっして間違わないはずもなく、その都度雪で修正しながら作りました。
これが木だったら付け足しなんてできないですから、運慶はやっぱりすごいです。
そうして出来上がったのがこちら。
耳が脆くて難しかったです。
しばらくすれば溶けてなくなる儚い像。
雪ならではの趣があります。
そんな十年以上前の冬を、思い出しました。
それでは、また次回。
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