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Tableauで光熱費を分析してみた

概要

大学入学を機に上京して早14年、月日が経つのは早い。上京初日に、ヨドバシカメラ西口店から京王線の改札に戻れなくなったことは今でも忘れられない(今となっては、なぜ迷ったのか理解に苦しむレベルだ)。路線図が分からず、i-mode(懐かしい!)で必死に乗換案内を調べていた。
いつしかあの複雑怪奇な路線図を見ても何とも思わなくなり、地図を見ずとも新宿駅周辺を自由に歩けるようになった。

最近Tableauの勉強をしていて、幸運にも毎月の光熱費の記録が残っていたためふと光熱費について可視化・分析してみようと思い立った。果たしてライフステージの変化に伴って、光熱費はどう変化したのだろうか。

一人暮らしをすると光熱費は毎月どのくらいかかるのか?結婚する前後で光熱費はどう変わるのか?これから一人暮らしをする人・結婚を考えている人の参考になれば幸いである。

データ

2007年8月-2020年12月までの、毎月の光熱費と使用量のエクセルデータを用いた。これをTableauに読ませて可視化と分析を行う。我ながら、よくこれだけデータを残していたものだと感心した。

筆者は上京以来一部例外を除いて一貫して23区内に居住し、東京電力・東京ガス・東京都水道局という「インフラ3点セット」を使い続けてきた。生活スタイルも結婚以外はさほど変化していない。

光熱費の推移

まずは毎月の光熱費を積み上げ棒グラフと線グラフにしてみた(下図)。一時期光熱費が0円になっているが、これは就職直後に地方での研修があり、会社の寮に住んでいたことによるもの。入社直後で給料は今と比べて少なかったが、この時期が一番金銭的に余裕があった。東京の家賃高いよー。

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最初に目につくのは、電気代とガス代には季節変動があり、水道代は年間を通してほとんど変わらないということだろう。

光熱費の季節変動

続いて各光熱費の季節変動を見るため、月ごとの使用量と光熱費をグラフ化した。青と赤の線グラフが使用量、グレーの棒グラフが光熱費である(下図)。

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グラフを見ると、ガス代と電気代は季節変動が激しい。そして使用量と光熱費に相関があるように見える。ガス代は毎年冬にピークが来て夏は使用量が極端に少なくなる。電気代は夏と冬にピークがある。一方水道代は独身時代においてほとんど変わらない。結婚後にようやく使用量と相関があるように見える。

その理由として考えられるのは、1)エアコン使用の有無による電力消費の差 2)風呂を沸かすのに必要な熱量によるガス消費量の差、である。これらは外気温によって大いに影響される。水道料金については、使用量と料金の相関を確認する必要がありそうだ。

使用量と光熱費の相関

続いては光熱費と使用量の関係を散布図で表し、傾向線を引いて確認してみた(下図)。また、独身時代と結婚後をバブルのサイズで表現している。

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もちろんエクセルでもこのグラフは作れるのだが、わざわざデータ系列を分けるのが面倒な上に、独身時代と結婚後まで分割すると相当な手間がかかる。今回のケースだと3x2=6つの系列を作らねばならず、しかも傾向線を引くためのダミーの系列を含めると合計9つも系列が必要になる。グラフを作るためだけに、データを加工して貼り付け直すこともしばしばである。

Tableauであればデータ自体の加工は一切必要なく、光熱費の項目を「色」のところに、「サイズ」のところにライフステージの項目をドラッグ&ドロップするだけなので非常に楽。今回使用したグラフは、すべて合わせて5分程度で作成できた。この辺りがTableauの利点の一つであり、慣れるとエクセルに戻れなくなる。

まず、結婚前後で電気代は独身時代に比べてそれほど増加していない。他方で水道代とガス代はほぼ倍増している。水道とガスを両方消費する、お湯の消費量が増えたことの影響がありそうだ。電気代があまり増えていないのは、エアコンや照明の消費電力が部屋にいる人数と関係しないことに起因するのであろう。むしろ部屋数(=照明やエアコンの数)や部屋の広さの方が重要そうである。

また傾向線を見ると、電気代は使った量と料金がほぼ比例する。一方でガスは切片が800円程度あり、水道代に至っては切片が2000円もある。つまり、独身の頃の使用量程度では切片の影響が大きいため料金にほとんど差がつかなかったのだ。

最近は節水シャワーヘッドも売られているが、一人暮らしの場合水道代に与える影響は微々たるものになりそうだ(環境に優しいのは言うまでもないが、コスト回収できるのか怪しい)。逆に同居家族が多いほど、使う価値がありそうである。

独身と結婚における光熱費の差

最後に、独身と結婚で毎月の光熱費はどれくらい変わったのか。それぞれどれくらいの金額だったのかを見ていく(下図)。このグラフは「毎月の光熱費の合計」の平均値を計算した後で、表計算を用いて累積を取った。更にラベルで最大値だけを表示させて作った。こういう細かいところに手が届くのもTableauのいいところだ。

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当たり前ではあるが、月々の光熱費は結婚後の方が高い。年間で累計すると、約6万円の差がついた。筆者の場合、一人暮らしの頃は平均して月約8,000円の光熱費を払っていたようだ。馬鹿にならない額であるが、最低限度文化的な生活を営むためにはやむを得ない。最近はクレジットカード払いができ、勝手にポイントが貯まるので良しとしよう。

実家暮らしの人間が新たに一人暮らしをするのはとにかく金がかかる。家賃・光熱費・ネット代などが一気にのしかかってくる。上京してきた身としては、東京に実家がある人間が羨ましくて仕方なかった。また、単身赴任も同様に家計にかなりの負担となる。家のローンを抱えていたりすると、もう大変である。

逆にお互いに一人暮らしをしているカップルが結婚をすると、光熱費に関して年間3万円程度の経済的恩恵が受けられる可能性がある。もっとも、これだけで結婚を決意する人は皆無だろうが。ただ結婚のタイミングを考える際に、経済的理由(光熱費やネット代削減、家賃補助増額等)でふんぎりがついたという人を筆者は知っている。

結論

〇ガスと水道は同居人数に応じて消費量がどんどん増加する。
〇電気は人数ではなく、家の広さや使用する家電に影響される。
〇一人暮らしをする人は、光熱費だけで毎月1万円弱の支出が不可避。
〇これから結婚を考えている人は、一人暮らし2人分に比べて多少安くつく可能性があるので安心(?)されたし。
〇純粋に金を貯めたいなら、会社の寮か実家暮らし。コレ、最強。

以上、Tableauで光熱費を分析してみた話。

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