子どもたちと大人たちのこと

様々な子どもたちと関わる仕事をしている

好きだし、縁があるから

踊ることに迷いはないけれど、一度だけ高校卒業後の進路を考える時に保育士を考えたことがあった。結局保育士は選ばなかったけれど、巡り巡って、今、踊りと子どもたちと関わる仕事をしている

自分が惹かれていく方向で、できることを1つ1つやっていたら、なんだかいつの間にか両方ができていた

縁だなあ・・・

そんなわけで、子どもはもとから好きだったのだけれど、「星のたね」(主宰している子どもたちとのダンスの場)をやるようになって一番の変化は、大人にも興味が出てきたというか、いいなーと思うようになってきたこと

ここの大人の人たちは本当におもしろいし、楽しんでいるな、と感じる

山あいの小さな集落の廃校を利用したコミュニティスペースの一部屋を借りてやっているので、星のたねメンバー以外の子どもたちもそこらへんで遊んでいるし、同じ建物内に保育園もあるから保育園の子どもたちも裸足でワーワー遊びまわっている。そんな子たちの親御さんにもよく会うけれど、自分の子どもだけでなくそこらへんの子どもたちに対する眼差しがあたたかいし、とても自然に話しかけている。そして子どもたちの方も当たり前のようにいろいろな大人によく話しかけている

だから、私に対してもそうで、私がメンバーの子を保育園に迎えに行くと、いろいろな子が寄ってきては、捕まえた虫やら山蛭に吸われた傷跡やら得意技やらを入れ替わり立ち替わり見せてくれる

おもしろい


大人たちも個性的な人たちが多いから、きっと、いろいろあるときはいろいろあるだろうとは思う

でもこんな話をある子のお父さんがしてくれたことがあって・・・

ある時、子どもたちがおままごとの中でお母さんたちの普段のやり取りをマネして遊んでいるのを見て、感動した、と

普段お母さんたち同士でこんなやり取りをしているのか、と

子どもたちはただ見たままをそういうものだと思って遊んでいたのだと思うけれど、そこにはとても愛のあるやり取りがあったらしい

それもすごいし、それをみて感動するお父さんも素敵だなあ・・・

それに、子どもたちは本当に大人たちのことをよく見ている、ということだ

私は子どもに関わることはずっとしてきているけれど、私自身には子どももいないし、子育てもしたことがない

ここの大人の人たちの子どもたちへの眼差しや接し方から学ばせてもらうことも本当に多い

とても有難い環境だな、と思う

「星のたね」でやっていることはずっとやりたかったことで、ここ以前にもそれらしいことを少しずつやってはいた

でもなかなか根をはり枝葉がのびていく・・・という感じにはならなかった。子どもたちは楽しんでくれても、親御さんに理解してもらえないことも多かった

この場所に縁をもらい、出会って、「星のたね」をやりはじめて、初めてなにか感触があった

ここならできるかもしれない

それはここで育まれてきた土台のおかげだと思う

ここの大人たちの感性、子どもたちがのびのびと育つような環境、大きい子も小さい子もそこらへんで遊んでいられるような環境

私の力だけではないから、私の力だけではできないなにかがうまれていくのだな、と思う


今、こういう世の中で、その影響はこの山の中の小さな集落のちいさな場所にもひたひたとやってきている

それは今後にどんなふうに響いてくるのだろう・・・

ここにある豊かさをどうにか大切にしていくことはできるだろうか

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