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歴史が独学しにくい理由

塾講師していますひいろと申します。

教科書を使って勉強する場合、実は一番独学しにくいのは歴史なのではないかと思います。

わかります、わかります、異論はたくさんありましょう。
むしろ「一番独学しやすいのが社会じゃないの?」という声は多い気がします。

そういった人々の主張は「暗記教科なんだから覚えればいいだけでしょ?」と概ねそんな感じ。

声を大にして何度でも言いたいのですが「覚えればいいだけ」それが一番難しい。

覚えればいいだけならばアメリカの歴代大統領、全員順番に覚えられますか?
(ぼくはクイズ王を目指していた時期にめっちゃ頑張って覚えました)

興味がないから覚えられない

アメリカの歴代大統領を覚えられないのは興味がないからです。
もしあなたがサッカー日本代表の熱狂的なファンならば全選手の名前を言えるのではないでしょうか。
もしあなたが坂道系アイドルの筋金入りのオタクならば全メンバーの名前を言えるのではないでしょうか。
歴代アメリカ大統領の熱狂的なファンならば全員の名前をすぐに覚えられるでしょう。(USA46)(※グロバー・クリーブランドが被っているのでほんとは45人)

歴史の独学が得意な人

でもクラスに一人はいたじゃないですか、歴史博士と呼ばれるような人物が。
教科書には載ってないことまで知ってて教師顔負けの知識を持っている子ですね。
そういう子ってどうして歴史の独学ができるかというと興味を持ったからだと思うんですよ。

教科書を読んで「これってどういうことなんだろう」という疑問を自分で持つことができてそしてそれを調べることができる人。
そういう子はほっといてもどんどん知識を増やしていきます。

大半の人は歴史に興味を持ちにくい

歴史に興味を持つことができた生徒は幸運です。
たいていの生徒はそこまでのめりこむことができないのが普通です。
それはなぜかと考えたのです。

おそらく「教科書には善悪が描かれない」から。

それが一つの理由ではないでしょうか。

教科書には善悪が描かれません。そもそも善悪はそれぞれの主観と集団内での常識によるものです。
一方の正義が一方の悪であるなんてことはよくある話です。

例えば現在のロシアとウクライナの立場は大多数の人が一方を正義とみなしますが、逆に考える人も少数ながらいるはずです。
そしてこの戦争が教科書に載るころにはおそらく善悪は置いておいて事実のみが記載されるでしょう。

教科書が事実を学ぶためのものである以上、どちらかの立場に偏るような記述は避けてしかるべきです。

それが歴史に興味を持つことを妨げている。仕方ないことですがね。

歴史に興味を持つためには

歴史は多少不正確だったり一方側の見方だったりしても善悪のイメージをつけてしまった方が読みやすいです。

歴史漫画なんかはそのあたりの勘所をとらえており、源氏と平氏では「驕れるもの」である平氏(悪役)と「父の仇、一族の仇」のために戦う源氏(正義)と分けられることが多いですし、その後は追う頼朝(悪役)、追われる義経(正義)と描くことが多いです。
もちろん偏った不正確な見方であるのですが、でもその方が面白い。

まず興味を持つためにはある程度は不正確でも主人公がいた方がよい。
そこから調べていくとライバルにも譲れない正義があることが分かってくるのです。

教科書以外で独学しよう

教科書は客観的事実を知るためのバイブルではあります。
ですが興味を持って暗記するためには、より主観的な見方をして方が効果的です。

前述の歴史漫画の他には『日本史講義の実況中継』シリーズ(石川晶康/語学春秋社)などがおすすめ。通り一遍の事実だけでない歴史の面白さを語ってくれます。(ただしいかんせん冊数が多い)

その他、youtubeにも歴史の講義動画などいろいろ上がっています。つまらない事実の羅列ではなく興味深いクローズアップがたくさん見られます。

おわりに

丸暗記が一番難しい。
興味のないものはいつまでたっても覚えられないしすぐ忘れてしまう。
だから、まずは興味を持つことを大事にしていって欲しいのです。

そのためには時間に追われただただ詰め込むような勉強をせずに、学びを楽しむ心の余裕をもって勉強しましょうね。

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