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ChatGPT-3.5くんさぁ……

近年のAIの成長スピードには瞠目するばかりだ。
「AIに仕事を奪われる」という言葉がここ数年でにわかに現実味を帯びてきた。
まだまだ伸びしろはあるとは言えAIアプリは十分実用性を備えてきて、商業利用さえもされつつある。
しかも制限があるとはいえ誰でも無料で使えるというレベルまで達している。

ぼくはクイズ、パズル、謎解きなどが好きだ。
クイズ作家、パズリスト、謎製作者たちには足を向けて寝られないレベルで感謝している。
だが、AIの普及によって彼らの仕事は奪われてしまうのだろうか?
特に短文クイズは文字情報と正確なデータベースがあれば(問題の面白さはさておき)いくらでも作れてしまうような印象がある。
パズルなどはプログラムと親和性が高く、AIの活躍の余地はかなり大きそうだ。
謎解きは人間のイメージや感覚に頼った部分が大きく、まだAIにたどり着けない領域は多そうだが、それでもシンプルな一枚謎ならば十分AIの作成能力の射程範囲内に感じられる。


そんなことを思いながら先日、ChatGPT-3.5アプリで遊んでみた。

ぼく〈世界一難しいクイズを出してみて〉
ChatGPT-3.5〈おかのした。こんな問題はいかがでしょう〉
以下、ChatGPT-3.5くんの出題した問題を要約。

【問題】100人の囚人たち
100人の囚人たちに恩赦の機会を与えた。
彼らにそれぞれ赤か青の帽子をかぶせて、一人ひとり100段の階段の一段ずつに乗ってもらう。
全員が階段の下段の方向を向いてもらい、自分より下の段にいる囚人の帽子の色を確認することができる。(自分の色とそれより上にいる囚人の色はわからない)
一番上の囚人から一人ずつ自分の帽子の色を言っていき、見事自分の色を当てることができたら釈放となる。
始まる前に囚人たちで十分に相談することが可能であるとするならば、釈放される囚人の数を最大にするには彼らはどのような行動をとればよいだろうか。

思わずうなってしまった。
生粋のパズリストたるぼくはもちろんこの問題は知っていた。有名な論理パズル問題だ。(クイズかと言われたら微妙か)
ここでは解答は省略する、「100人の囚人」などでググれば多分出てくるのでそちらをどうぞ。参考リンクくらいは貼っておきましょう。

飲み会で「なんか難しい問題出して」と言われたときに出す問題としてはなかなか良い。オリジナルではないものの、正統派の良問をサーチして提供するスピードは人間をはるかに超えている。こいつは本物やでぇ……

さて、論理パズル的な問題は期待以上だった。
ならば謎解き的な問題はいかがだろうか。

ぼく〈じゃあ、あるなしクイズだして〉
ChatGPT-3.5〈おかのした。こんな問題はいかがでしょう〉
以下、ChatGPT-3.5くんの出題した問題を要約。

「ある」の方にあって「ない」の方にないものは何でしょう?

ある    | ない
ーーーーーーーーーーーーーーー
りんご   | メロン
バナナ   | スイカ
さくらんぼ | ブドウ
みかん   | パイナップル

シンプルながら基本を押さえた問題が来た。
そして見たことのない問題だ。
皆さまも少し考えてみていただきたい。

一見すると「ない」の方はすべてカタカナであることが分かる。
しかし「ある」の方に「バナナ」が含まれており、答えはそう単純ではないらしい。
「ん」がつく、とか「濁点が含まれる」といった回答も惜しくも成り立たないようだ。
ならば。

ぼく〈「ある」の方は数字が含まれる〉

と送信してみた。
りん5、バ7、さ9らんぼ、3かん、といった具合だ。
多少苦しいところもなくはないが一応筋は通ってなくもないだろう。
しかし

ChatGPT-3.5〈違います。ひらがなで書いたときに何か共通点があります〉

悪い予感。
それからしばらく考えてみたが重いつかず、疑念にとらわれながらのギブアップ。

ぼく〈ギブアップです。答えを教えてください〉
ChatGPT-3.5〈答えは「ある」の方はひらがなの「ん」を含む、でした〉

………
殺すぞ。
思わずそんな言葉が口をついて出た。
どうやらまだ謎解き分野では人間の出番はなくならそうである。

ぼく〈地獄におちろ〉


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