映画「室井慎次 敗れざる者」レビュー「事件は家のすぐそばで起きてるんだ」
あの「踊る大捜査線」シリーズの室井慎次が帰ってきた!
今回は、シリーズ本編ではなく、スピンオフ作品として、また室井慎次を主人公に迎えた新たな物語が展開されます。
「容疑者 室井慎次」から、盛り返して警視庁での活躍を期待していましたが、警視庁を去り、地方で新たな人生を歩み始めた室井。彼は、過去に起きたある事件の責任を背負い、静かに暮らしていました。しかし、平穏な日々は長くは続かず、新たな事件に巻き込まれていくことに…。
本作の魅力
室井慎次の新たな一面: これまでのシリーズでは見られなかった、彼のプライベートな姿や、内面に抱える葛藤が描かれています。
深まる人間ドラマ: 家族との絆、過去のトラウマ、そして正義への信念。様々な要素が絡み合い、重厚な人間ドラマが展開されます。
柳葉敏郎の熱演: 複雑な心情を抱える室井を、柳葉敏郎が圧倒的な存在感で演じ切っています。
私が一番見てもらいたいシーン
刑務所の面会シーンの後、室井さんが子供に声を掛けようとして、思いとどまるところです。
普通なら何か気の利いた声をかける場面で、どんなセリフになるのかが映画の肝になるんだろうと思っていましたが、室井は何も言いませんでした。
この無言の演技こそ、まさに室井慎次という男を表していると感じました。
納得できないところ
一点目は、あっさりとある人物の娘だとわかってしまうところです。もう少し伏線を張って、観客を驚かせるような展開にしてほしかったです。
二点目は、あの距離で死体を埋めているのに気付かないなんてことがあるのかという点です。
これらの謎が、後編の続編ですっきり解明されることを期待しています。
シリーズファンへのメッセージ
シリーズファンは絶対に見るべき作品です!室井慎次という男の魅力を再認識できるはずです。
シリーズ未視聴の方へ
正直に言うと、シリーズを事前に観ていないと、面白さが半減どころか、面白く感じられないところが多いかもしれません。
これをきっかけに昔の作品を観ようという人がたくさんいるなら良いのですが、もしかしたら逆効果になってしまう可能性もあります。
もし、本作を観て「踊る大捜査線」シリーズに興味を持った方は、ぜひ過去の作品も観てみてください。
今後の展開予想
映画の前編にあたる今回は不穏な空気を煽りまくって、登場人物のキャラクターを観る人に理解させてからの後編へと続くわけですが、事件の殺人犯はまだ特定されていません。
さすがに、突然後半の作品での登場人物が犯人というのは観ている人も納得できないので、実は本編のあの人に洗脳されていた人がということでコミカル要素として登場している警官が実は…という無理やりな展開になるような気がしています。
なんにせよ、室井慎次の最後の事件というか、このキャラクターをこの作品で終わらせるという事らしいので、最後だからといって主役を殺して終わりという事にならないことを祈ります
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