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はみだす力

最近のトレンドでもある「分散配置案」の最も有名な作品は「森山邸」だろうか? 大小のブロックがおもちゃ箱をひっくり返したように配置されており、その隙間を歩きながら居室間を行き来する。内部と外部の境界はスケール感のない窓によって不明瞭となり、自分の居場所を見失ってしまう。原先生が敷地から計画がはみ出していると表現したのを思い出す。
路地の魅力は、この「はみ出し感」ではないかと思う。敷地境界がはっきりせずに室内の生活感が外にはみ出してくる。子供の遊び場が外部にはみ出し、植木鉢やベンチによって室内と屋外の緑がつくられながら、室内と室外の快適性を作っていく。ベランダや室外機、自転車、千住猫などもからみながら。。
道と路地の大きな違いがここにあるように思う。いつの間にか道と家の境界をはっきりとさせるようになった。そこには塀が建ち、住宅を外へ開くことはなくなった。道は危険な場所として認識され、隣に誰が住んでいるかわからなくなるという現象も生まれた。
路地に面して住宅を開き、近隣とのコミュニティーを受け入れる。昨年のライドオンでも述べたが、千住スタイルの家がそこに存在する。


明日は、〜防災と島シェア学のすすめ です。

この投稿はFacebookページで2017年7月28日に投稿されたものです。1週間でお届けする島プロライドオン〜《俺の路地学》その4です。

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